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レジの現金着服防止へ独自システム開発

鉄壁を誇るロックシステム「セキュリティキャット」で不正の動機を減退させる=OKトータルサービスで
鉄壁を誇るロックシステム「セキュリティキャット」で不正の動機を減退させる=OKトータルサービスで
現金を収めるドロワーのロックで特許を持つ
現金を収めるドロワーのロックで特許を持つ

 レジの現金を着服する「内引き」などを防ごうと、豊橋市佐藤4のレジ販売「OKトータルサービス」は、自社の特許製品をもとに独自システムを開発した。待望の技術誕生の一方で、大手メーカーは導入に消極的だという。そこで大西国光社長は「不正根絶に理解のある事業者とノウハウを共有し、普及へ弾みをつけたい」と協力者を募ることにした。
 大西社長は、レジの現金収納用ドロワーの防犯装置「セキュリティキャット」で特許を持つ。レジの側面に装着した本体から、スライドするドロワーを棒状突起で止めて開閉できなくする。
 1号機を開発したのは10年前。異常を感知すると警報ブザーで知らせる仕組み。最新の3号機はドロワーの自動ロックと振動への反応、タブレット端末を使った顔認証システムも加わった。自動ロックと顔認証を連動させたシステムで今月新たに特許が認められた。
 常時録画の防犯カメラと違い、顔認証時のみ録画機能が働くため、録画チェックなど調査時の手間が簡略化される。情報技術を生かせば取り扱い者の行動分析も可能で、疑わしい店員はあらかじめ担当から外すなどの対応も可能になる。
 大西社長の技術には以前からレジメーカーが着目していた。1号機を出した約10年前には、大手から特許購入の打診もあったという。今回の特許取得では電子機器大手のカシオと競った。
 技術は注目されるのに大手メーカーが導入に消極的な背景について、大西社長は「利益確保が難しいからだ」という。
 セキュリティキャットの価格は1台数万円だ。大手が製造販売するレジは1台30万円以上、店員との金銭授受のないタッチパネル式「釣銭機付きレジ」は100万円と高額だ。大西社長は「大手は販売管理費などを含む価格設定で高額になる」と指摘する。
 こうした背景から、大西社長は中小やベンチャーと組んだ新製品開発へと考えを変えた。
 取引先で疑心暗鬼になる店主や店員を数多く見たという大西社長。内引きなどの不正には根深いものがあるという。不正に手を染めるのは店員ばかりではない。店主ら経営者も同じと語る。
 取引先の中にも、店主が意図的に売上時の最終処理をしない『カラ打ち』で刑事事件に発展した店もあった。大西社長はPOSシステムレジ対応の会計分析ソフトも独自開発し、大手製より格安の18万円で販売。廉価で普及もしやすい点が、小売店や飲食店を融資先に抱える金融機関からも注目されているという。
 大西社長は「このまま特許を眠らせておくのは社会的に不利益だ。不正を根絶する試みに賛同する志のある会社なら歓迎する」と呼び掛ける。この試みを引退を見据えた最後の大仕事と考え、特許権の移譲や販売も視野に取り組むという。
 問い合わせはOKトータルサービス(0532・64・4459)へ。
【加藤広宣】

 レジの現金を着服する「内引き」などを防ごうと、豊橋市佐藤4のレジ販売「OKトータルサービス」は、自社の特許製品をもとに独自システムを開発した。待望の技術誕生の一方で、大手メーカーは導入に消極的だという。そこで大西国光社長は「不正根絶に理解のある事業者とノウハウを共有し、普及へ弾みをつけたい」と協力者を募ることにした。
 大西社長は、レジの現金収納用ドロワーの防犯装置「セキュリティキャット」で特許を持つ。レジの側面に装着した本体から、スライドするドロワーを棒状突起で止めて開閉できなくする。
 1号機を開発したのは10年前。異常を感知すると警報ブザーで知らせる仕組み。最新の3号機はドロワーの自動ロックと振動への反応、タブレット端末を使った顔認証システムも加わった。自動ロックと顔認証を連動させたシステムで今月新たに特許が認められた。
 常時録画の防犯カメラと違い、顔認証時のみ録画機能が働くため、録画チェックなど調査時の手間が簡略化される。情報技術を生かせば取り扱い者の行動分析も可能で、疑わしい店員はあらかじめ担当から外すなどの対応も可能になる。
 大西社長の技術には以前からレジメーカーが着目していた。1号機を出した約10年前には、大手から特許購入の打診もあったという。今回の特許取得では電子機器大手のカシオと競った。
 技術は注目されるのに大手メーカーが導入に消極的な背景について、大西社長は「利益確保が難しいからだ」という。
 セキュリティキャットの価格は1台数万円だ。大手が製造販売するレジは1台30万円以上、店員との金銭授受のないタッチパネル式「釣銭機付きレジ」は100万円と高額だ。大西社長は「大手は販売管理費などを含む価格設定で高額になる」と指摘する。
 こうした背景から、大西社長は中小やベンチャーと組んだ新製品開発へと考えを変えた。
 取引先で疑心暗鬼になる店主や店員を数多く見たという大西社長。内引きなどの不正には根深いものがあるという。不正に手を染めるのは店員ばかりではない。店主ら経営者も同じと語る。
 取引先の中にも、店主が意図的に売上時の最終処理をしない『カラ打ち』で刑事事件に発展した店もあった。大西社長はPOSシステムレジ対応の会計分析ソフトも独自開発し、大手製より格安の18万円で販売。廉価で普及もしやすい点が、小売店や飲食店を融資先に抱える金融機関からも注目されているという。
 大西社長は「このまま特許を眠らせておくのは社会的に不利益だ。不正を根絶する試みに賛同する志のある会社なら歓迎する」と呼び掛ける。この試みを引退を見据えた最後の大仕事と考え、特許権の移譲や販売も視野に取り組むという。
 問い合わせはOKトータルサービス(0532・64・4459)へ。
【加藤広宣】

鉄壁を誇るロックシステム「セキュリティキャット」で不正の動機を減退させる=OKトータルサービスで
鉄壁を誇るロックシステム「セキュリティキャット」で不正の動機を減退させる=OKトータルサービスで
現金を収めるドロワーのロックで特許を持つ
現金を収めるドロワーのロックで特許を持つ

カテゴリー:社会・経済

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