豊橋・表浜海岸に大量のごみ 台風15号の影響か

　豊橋市高塚町の表浜海岸で、流木やプラスチック製品などの大量のごみが打ち上げられている。地元の人によると、25日に最接近した台風15号の影響とみられる。付近の数㌔にわたり、波打ち際に沿ってごみが漂着している。市は現場の状況を踏まえ、撤去など対策を検討するという。
　地元住民が漂着ごみを確認したのは24日午後３時頃。それから２時間余りで海岸の波打ち際に大量のごみが打ち上げられ、見えただけでも東西３㌔余にわたってごみが滞留している。住民によると、この辺りは流木などが大量に流れ着くことはないという。
　近海には小魚や貝類などの漁場があり、漁業権を持つ地元住民らが刺し網漁のため浜辺から船を出す。海岸と陸地を隔てるようにごみが積もっており、この影響で船も出せないという。
　長年、農業の傍ら漁にも出ているという松原好幸さん（68）は「ここまで多くのごみが流れ着いたのは初めて。撤去作業を急がないと漁にも影響が及ぶ」と話し、行政の対応に期待した。
　表浜海岸一帯では海岸浸食を防ぐため、沖合約５００㍍の海底に波消しブロックが埋め込まれている。また、浜松市を流れる天竜川から渥美半島へ向けて堆積物が流れる経路も古くから指摘されている。
　住民らは25日夕の時点で波消しブロックがある付近で漂着ごみらしき塊を確認したという。松原さんらは「静岡県内で記録的な豪雨が降った台風15号の影響も考えられる。河口まで大量の水が流れ、多くのごみも一緒に運ばれてしまったのかも」と話す。
　県とともに表浜海岸を管理する市農地整備課の田中幹也課長は「現地の状況を踏まえ、対処方法などを検討したい」と話した。
【加藤広宣】