バイクイベント通じ設楽の観光振興へ

観光協が津具小で親子対象に「教室」

　地域住民にオートバイの魅力を知ってもらおうと、設楽町観光協会が19日、町立津具小学校で「親子バイク教室」を開いた。
　若い世代にバイク文化の理解を深めてもらい、オートバイライダーをターゲットとした観光振興へつなげる。ヤマハ発動機、デイトナ、ダートフリークといった、バイクに深く関わるメーカーが協賛する。
　設楽町とデイトナは「観光パートナー協定」を結んでおり、「道の駅したら」（設楽町清崎）などでライダーを対象としたイベントを開催。観光客誘致に取り組んでいる。
　設楽町の児童らを対象としたバイク講習イベントは初の試み。観光協会が町内の小学校に打診したところ、津具小学校が手を挙げた。全校児童24人とその保護者が参加。会場の津具小に40～50人が集まり、活気に満ちたイベントとなった。
　イベント内容は「バイク乗車体験」「エンジンの仕組みの解説」「交通安全教室」の三つ。グラウンドで乗車体験と交通安全教室を開き、体育館ではエンジンの仕組みの解説があった。このほか、ヤマハのバイクの展示もあった。
　乗車体験では、児童が子ども向けバイク「ＰＷ50」にまたがり、保護者は車体を支えるなどの補助にまわった。ヤマハのインストラクターの指示の下、児童はアクセルを回したり、ブレーキをかけたりしながらバイクを運転。最後は約50㍍の直線を１人で走行し、ライディングを楽しんでいた。
　エンジンの仕組みを聞いた児童らは、グラウンドで交通安全教室に参加。信号や道路標識の絵を見ながら、発進や停止、注意点といった交通ルールを、バイクを操作しながら学んだ。
　イベント終了時には、保護者らも交え全員で記念撮影。児童らは興奮さめやらぬ様子だった。
　観光協会の依田佳久さんは「子どもから、きょうの楽しかった体験を祖父母らへ伝えてもらえれば、シニア層もバイク文化の理解がしやすくなるのではと思う。今後もこうしたイベントを定期的に開催したい」と展望を語った。
　津具小の伊藤賢修校長は「設楽町の盛り上げになればと思い手を挙げた。子どもたちには、新しい体験からさまざまなことに興味を持ってほしい。コストなどの課題はあるが、可能であれば毎年でもやらせてあげたい」と、イベントを通した児童の成長にも期待を寄せた。
【夏目敬介】