節目の周年迎える県内企業

　帝国データバンク名古屋支店は、県内で２０２３年に「10」「30」「50」「１００」など周年の節目迎える企業（アニバーサリー企業）を分析した。東三河でも複数の名前が登場する。
　それによると、県内のアニバーサリー企業は７２１２社。「最長寿」として紹介されているのは２００周年の総合建設・不動産開発の「角文」（刈谷市）で、２位は医薬品製造販売の「アクラス」（名古屋市中区）と酒類製造の「清洲櫻釀造」（清須市」が１７０年で並んだ。ひつまぶしで知られる「あつた蓬莱軒」を経営する「蓬莱陣屋」（名古屋市熱田区）は１５０年、「木村証券」（同市中区）は１３０年。名古屋短期大学などを経営する学校法人「桜花学園」の１２０年などが続いている。
　アニバーサリー企業のうち「１００周年」は１０５社にのぼった。
　リポートでは「主な１００周年企業」として10事業者が紹介されているが、その筆頭が書店経営の「精文館書店」（豊橋市広小路１）。１９２３（大正12）年２月、木和田為作が常盤通りに開店した。東三河を中心に全国に約50店舗を展開している。
　ほかに登場するのが総合建設業の「豊橋建設工業」（同市大国町）。同年８月、河合源三郎が「河合工務所」を創業したのが始まり。住家の建築から道路、堤防の土木工事まで幅広く手がけている。
　それ以外には業務用のうずら卵の水煮などで知られる「天狗罐詰」（名古屋市中区）や中京大学などを運営する「梅村学園」（同市昭和区）、東邦高校などを手がける「東邦学園」（同市名東区）も１００周年企業として取り上げられた。
　１００周年までの周年企業を業種別でみると、「製造」が70周年（27・０％、１７１社）と、１００周年（25・７％、27社）でトップとなった。「10」「30」「50」周年では「建設」がそれぞれ最多。　アニバーサリー企業を年商規模別にみると、「１億円未満」が大半を占める（１００周年が43・３％、70周年が39・７％、50周年が46・６％、など）。逆に１０００億円以上は５社にとどまった。
　帝国データバンク名古屋支店は「節目の年を迎えた企業にとっても、これまでの歩みを振り返りつつ次の10年、20年を見据えた取り組みを始めるきっかけにしては」とコメントしている。
【山田一晶】