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渥美半島特産のアサリ不漁で押し寿司販売延期

渥美半島近海でもアサリの不漁が続く=田原市小中山町で
渥美半島近海でもアサリの不漁が続く=田原市小中山町で
発売延期された「渥美あさりの押し寿司」(提供)
発売延期された「渥美あさりの押し寿司」(提供)

 渥美半島の特産品として知られるアサリが不漁だ。原因は特定できないという。価格も数年前の倍近くまで上がり、季節限定販売の観光名物「渥美あさりの押し寿司」は原材料の調達難を理由に発売日を延期した。関係者は「特産品を生かした観光資源でもある。漁が本格化する3月には回復してほしい」と願う。
 県の統計では、2013年まで年間約1万6000㌧で推移した県産アサリの漁獲量はこの5年余で激減。県水産試験場によると最悪の状態は脱したが、17年は当時の1割まで落ち込んだ。
 試験場によると、県内全域の不漁は主に生活排水に含まれるリンなどの養分が減り、餌のプランクトンが減少したことによる。栄養不足で弱った貝が砂地に定着できず、死滅するケースが増えたという。
 市内の漁場への影響は少ないというが、相対的に漁獲量が減っているかもしれないとしている。地元漁師らは「昨年頃から漁獲量は落ち込み始めた」と説明する。
 漁師の一人は「18㌔入りの網袋で卸す。例年は1人で1日10袋もとれたが、今は2袋もあれば大漁」という水準まで落ち込んだ。さらに漁協は資源保護のため、漁獲可能な貝の大きさを制限した。以前よりも高値安定につながったが、この不漁で卸値も当時の倍近くに跳ね上った。
 地元の飲食業や観光事業者らで作る「貝づくし渥美」実行委員会は調達難に伴い、今月14日に予定していた押し寿司の発売日を延期した。地元産アサリを甘辛く炊いた押し寿司は郷土料理が起源だ。市内2カ所の道の駅や観光イベント会場で5月頃まで、土曜、日曜、祝日に数量限定で販売する。
 商品開発に携わった漁師の朽名秀子さん(71)は「観光名産としても定着しつつある。郷土料理としても残したい」と訴える。事務局の森下近生さんは「貝のまちをPRする重要な資源。販売時期など最適な方法を再検討したい」と話す。
【加藤広宣】

 渥美半島の特産品として知られるアサリが不漁だ。原因は特定できないという。価格も数年前の倍近くまで上がり、季節限定販売の観光名物「渥美あさりの押し寿司」は原材料の調達難を理由に発売日を延期した。関係者は「特産品を生かした観光資源でもある。漁が本格化する3月には回復してほしい」と願う。
 県の統計では、2013年まで年間約1万6000㌧で推移した県産アサリの漁獲量はこの5年余で激減。県水産試験場によると最悪の状態は脱したが、17年は当時の1割まで落ち込んだ。
 試験場によると、県内全域の不漁は主に生活排水に含まれるリンなどの養分が減り、餌のプランクトンが減少したことによる。栄養不足で弱った貝が砂地に定着できず、死滅するケースが増えたという。
 市内の漁場への影響は少ないというが、相対的に漁獲量が減っているかもしれないとしている。地元漁師らは「昨年頃から漁獲量は落ち込み始めた」と説明する。
 漁師の一人は「18㌔入りの網袋で卸す。例年は1人で1日10袋もとれたが、今は2袋もあれば大漁」という水準まで落ち込んだ。さらに漁協は資源保護のため、漁獲可能な貝の大きさを制限した。以前よりも高値安定につながったが、この不漁で卸値も当時の倍近くに跳ね上った。
 地元の飲食業や観光事業者らで作る「貝づくし渥美」実行委員会は調達難に伴い、今月14日に予定していた押し寿司の発売日を延期した。地元産アサリを甘辛く炊いた押し寿司は郷土料理が起源だ。市内2カ所の道の駅や観光イベント会場で5月頃まで、土曜、日曜、祝日に数量限定で販売する。
 商品開発に携わった漁師の朽名秀子さん(71)は「観光名産としても定着しつつある。郷土料理としても残したい」と訴える。事務局の森下近生さんは「貝のまちをPRする重要な資源。販売時期など最適な方法を再検討したい」と話す。
【加藤広宣】

渥美半島近海でもアサリの不漁が続く=田原市小中山町で
渥美半島近海でもアサリの不漁が続く=田原市小中山町で
発売延期された「渥美あさりの押し寿司」(提供)
発売延期された「渥美あさりの押し寿司」(提供)

カテゴリー:社会・経済

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