田原と豊橋で6月「アイアンマンレース」

　トライアスロン競技の最高峰とされる「アイアンマンレース」が田原市と豊橋市で６月に開催されることが決まった。「アイアンマン70・３東三河ジャパンｉｎ渥美半島実行委員会」が23日、発表した。美しい渥美半島の景色の中を疾走する鉄人たちを、東三河の食材や花がもてなし、その魅力を世界に発信する。
　実行委は県、田原と豊橋市、田原市商工会、渥美商工会、豊橋商工会議所など12団体で構成する。実行委員長にはイノチオグループの石黒功社長が、大会会長には田原市の山下政良市長が就任した。事務局は昨年７月に発足した東三河スポーツ地域振興財団に置く。
　この日、豊橋市駅前大通のエムキャンパスであった記者会見によると、レース期間は６月８～11日で競技は10日。スイム１・９㌔、バイク90・１㌔、ラン21・１㌔の１１３・１㌔（70・３マイル）を一人がこなす。世界で１００を超える大会が開かれている。さらに今大会は８月にフィンランドで開かれる世界大会の予選も兼ねる。国際的な機関「ワールド・トライアスロン・コーポレーション」（ＷＴＣ）公認。
　エントリー開始は２月１日からの予定で、定員は２０００人。事務局によると、選手だけでなく同行者がいるため、その倍の人数を受け入れることになる。さらに国内大会の統計では、参加選手の１割が外国人で、出身の国や地域は20を超えるという。また、ＷＴＣは大会にあたって選手同士の交流を兼ねたパーティーの開催を重視しているため、渥美半島の食材でもてなすことになる。
　コースは未定で、４月頃発表の予定。渥美半島を自転車で１周し、豊橋市でフィニッシュする素案が示された。
　事務局によると、２０１０年から「アイアンマン70・３セントレア常滑ジャパン」が知多半島で開催されていた。しかし、新型コロナウイルス禍などを理由に２０２０年大会を最後に中断している。「常滑はバイクが周回コースになっているが、渥美半島大会は半島を１周してもらうので、優位性がある」と説明した。
　石黒委員長は「地域の企業、農業や漁業関係者の理解をいただき、大会を成功させるためワンチームで努力する」と述べた。山下市長は「大変、うれしく思っている。渥美半島にやってくる人々を心からもてなしたい」と力を込めた。
　大会副会長でサーラのの神野吾郎社長兼グループ代表・ＣＥＯによると、知多半島大会に来ていたＷＴＣ幹部を２０１７年に渥美半島に招き、視察してもらったことに今大会の構想が始まる。東京オリンピック・パラリンピックが終わった後を目標に、関係機関との協議を進めてきたという。
　また個人的な見解としながらも、やがてはフル大会（スイム３・８㌔、バイク１８０・２㌔、ラン42・２㌔）を開きたいと述べた。その場合、コースは渥美半島から三河湾、浜名湖、奥三河を巻き込むことになる。「東三河と遠州が一体となる競技になれば」と夢を語った。
【山田一晶、岸侑輝】