豊橋技科大と静岡大が包括連携協定締結

　豊橋技術科学大学と静岡大学は２４日、大学間の研究や教育など幅広い資源を生かす狙いで包括連携協定を結んだ。教員間で交流があった半導体センサーの研究をさらに進めるほか、他分野の研究や人的交流にも広げる。
　豊橋技科大は開学当初から、ＬＳＩ（大規模集積回路）の製造工場を持ち、半導体の設計から製作や評価までを一貫して学べる。静岡大は浜松キャンパスに電子工学研究所を持ち、画像センサー技術や半導体の回路設計などに強みがある。
　地理的に近く、これまでも半導体分野の研究などで教員個人の交流はあった。協定により、今後は組織的な連携を深めて相乗効果を高めたい考えだ。学生は技科大が高専出身が多いのに対し、静大は一般高校出身者が大半。異なる特徴を生かして人材交流や育成にもつなげたいという。
　この日は豊橋技科大で調印式があり、技科大の寺嶋一彦学長と静岡大の日詰一幸学長が協定書を交わした。協定には学生や教職員の交流、研究施設の共同利用などを盛り込んだ。
　寺嶋学長は「国レベルで進めている半導体研究は両大学をつなぐ『横ぐし』だ。両地域で盛んな農業をはじめバイオや脱炭素化技術など、幅広い分野に双方の研究成果や技術が生かせる」と展開に期待した。
【加藤広宣】