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渥美窯の復元目指す豊橋の稲吉さん

復元中の渥美窯の入り口の穴と稲吉さん=豊橋市で
復元中の渥美窯の入り口の穴と稲吉さん=豊橋市で
窯を作るため手作業で穴を掘る稲吉さん
窯を作るため手作業で穴を掘る稲吉さん
掘った土を引き上げる
掘った土を引き上げる

 豊橋市前田南2の陶芸家稲吉オサムさん(46)が、渥美窯の復元を目指している。地面に穴を掘って窯を作り、その土を使って陶器を焼く。現在は市内で仲間と窯作りに励んでいる。
 渥美窯は平安から鎌倉時代に渥美半島から現在の豊橋南部にかけて用いられていた窯で、日本三大古窯の一つに数えられている。国宝に指定された焼き物もある。
 稲吉さんは20年近く前に、田原市の二ツ坂古窯の発掘調査を見学した時、この時代の窯を復元して陶器を焼いてみたいと思ったという。その後、場所探しを続けてきた。
 復元する窯は小型で全長約9㍍、穴の幅は約2㍍。当時の窯は、地面に穴を掘っただけのもので、同じように穴を掘る。手作業のため、数人の仲間とともに作業をしても1日で約50㌢しか進まないこともある。小型の照明器具で真っ暗な穴の中を照らし、少しずつ土を削る。削った土をバケツに入れ、穴の外へ引き上げる。地道な作業が続く。
 掘り出した土は焼き物の材料になる粘土質。この土を使った陶器を作る計画だ。さらに焼くときに使う燃料の木も地元のものを使う。「当時はすべて地産地消だったと思います。私もそれにチャレンジする」と稲吉さん。
 窯作りは4月上旬から始まっており、梅雨入り前の6月中旬に完成を目指す。その後、陶器を作り、秋の天気の良い日に火を入れて焼く予定だ。
 稲吉さんは「発掘調査で窯の形は分かっているが、どのような温度や時間で焼いていたのかは分からない。どんな焼き上がりになるのか、とても楽しみ」と話す。できた陶器は地元で展示する予定という。
 協力している美術家の味岡伸太郎さんは「700~800年前に使われていた窯を同じ形で復元し、当時のやり方で陶器を焼くことは全国でも前例がないのでは。とても意義ある挑戦」とエールを送る。
【竹下貴信】

 豊橋市前田南2の陶芸家稲吉オサムさん(46)が、渥美窯の復元を目指している。地面に穴を掘って窯を作り、その土を使って陶器を焼く。現在は市内で仲間と窯作りに励んでいる。
 渥美窯は平安から鎌倉時代に渥美半島から現在の豊橋南部にかけて用いられていた窯で、日本三大古窯の一つに数えられている。国宝に指定された焼き物もある。
 稲吉さんは20年近く前に、田原市の二ツ坂古窯の発掘調査を見学した時、この時代の窯を復元して陶器を焼いてみたいと思ったという。その後、場所探しを続けてきた。
 復元する窯は小型で全長約9㍍、穴の幅は約2㍍。当時の窯は、地面に穴を掘っただけのもので、同じように穴を掘る。手作業のため、数人の仲間とともに作業をしても1日で約50㌢しか進まないこともある。小型の照明器具で真っ暗な穴の中を照らし、少しずつ土を削る。削った土をバケツに入れ、穴の外へ引き上げる。地道な作業が続く。
 掘り出した土は焼き物の材料になる粘土質。この土を使った陶器を作る計画だ。さらに焼くときに使う燃料の木も地元のものを使う。「当時はすべて地産地消だったと思います。私もそれにチャレンジする」と稲吉さん。
 窯作りは4月上旬から始まっており、梅雨入り前の6月中旬に完成を目指す。その後、陶器を作り、秋の天気の良い日に火を入れて焼く予定だ。
 稲吉さんは「発掘調査で窯の形は分かっているが、どのような温度や時間で焼いていたのかは分からない。どんな焼き上がりになるのか、とても楽しみ」と話す。できた陶器は地元で展示する予定という。
 協力している美術家の味岡伸太郎さんは「700~800年前に使われていた窯を同じ形で復元し、当時のやり方で陶器を焼くことは全国でも前例がないのでは。とても意義ある挑戦」とエールを送る。
【竹下貴信】

復元中の渥美窯の入り口の穴と稲吉さん=豊橋市で
復元中の渥美窯の入り口の穴と稲吉さん=豊橋市で
窯を作るため手作業で穴を掘る稲吉さん
窯を作るため手作業で穴を掘る稲吉さん
掘った土を引き上げる
掘った土を引き上げる

カテゴリー:社会・経済

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