未利用資源から商品開発 新城で協議会設立

　新城市で、山里の活性化を目指す三つのプロジェクトが始まった。未利用資源だった「規格外の梅」「虫食いに遭った木材」「廃棄されてしまう鹿肉」を商品として開発し、販路拡大に取り組む。
　市と商工会、農協、森林組合、鳥獣対策団体で「鳳来未利用資源活用協議会」を立ち上げた。農林水産省の山村活性化支援交付金事業に採択され、２０２５年度まで３年間、毎年１０００万円の補助を受ける。対象地域は旧鳳来町の郊外とした。
　梅は汚れや傷によって出荷できない規格外品を使う。今年度はクラフトビールとクラフトコーラを試作し、24年度からはビールを商品化。コーラは飲食店で販売する。切り落とした枝の活用も考える。
　木材は虫食い被害に遭ったスギやヒノキ材の「枝虫材」の利用を考える。断面に黒い跡があるため見栄えが悪く、取引を拒否されることもある。木材を焼き、炭化させることで耐久性を高める。防火、塩害対策になり、家屋の外壁として使える。スギ材を「焼き杉」として海外へ商品展開させる。
　鹿肉はジビエ（野生鳥獣肉）として販売する。肉などは飲食店で食べてもらう。その他の部位は土産品として販売する。今年度は狩猟技術の体験会などを開く。24年度以降は人材育成や店頭販売を始める計画だ。
　梅農家は「漬け物などにするだけでは限りがある。さらなる商品展開ができればうれしい」と期待を寄せている。
【安藤聡】