文字の大きさ

東愛知サロン会8月例会で横倉さん講演

ワンヘルスについて講演する横倉さん=ホテルアソシア豊橋で
ワンヘルスについて講演する横倉さん=ホテルアソシア豊橋で
多くの人が聴き入った
多くの人が聴き入った

「ワンヘルスとウエルビーイングを広めて」

 東愛知サロン会は25日、日本医師会名誉会長の横倉義武さんを講師に招き、豊橋市の「ホテルアソシア豊橋」で8月例会を開いた。テーマは「ワンヘルスとウエル・ビーイング~コロナパンデミックを振り返り」。サロン会会員だけでなく、医師会などからの特別参加の人も訪れ、約180人が聴き入った。
 2012年から8年間、日本医師会長を務め、17年からは日本人として3人目の世界医師会長に就任した。福岡県みやま市にある「弘恵会ヨコクラ病院」の理事長。
 1969年に医師になった横倉さんは「20世紀末、人類は感染症を克服したと思っていたが違った」と振り返った。新型コロナウイルスを含めた人獣共通感染症がこの100年で1500種類も新たに生じたことを指摘した。背景として、人口増に伴う急速な森林破壊、地球温暖化があるという。「野生動物のウイルスが人の世界に入り込んできた」と横倉さんは警鐘を鳴らした。
 さらに移動手段の高速化によって、スペイン風邪が流行した100年前は世界一周に60日かかっていたものが現代は1日で可能になった。2002~03年には「SARS(重症急性呼吸器症候群)」が、12年からは「MERS(中東呼吸器症候群)が流行した。そして19年末からの新型コロナ。「10年に一度は新しい流行が起きるようになった」と横倉さん。
 そんな世界の高齢化社会ではWHOが提唱する「ウエルビーイング」が大事だと述べた。「身体だけではなく、精神面、社会面も含めた健康」を指す。そのために「ポジティブ感情」「物事への積極的関わり」「他者との良い関係」「人生の意味や意義の自覚」「達成」の5領域を高める必要があるという。
 また、横倉さんが医師会長時代の13年、医師会は獣医師会と「学術協力の協定書」を結んだ。人の健康、動物の健康、環境の保全の三つの分野の関係者が一体となり、連携して対応するのが「ワンヘルス」の目指す内容で、世界で普及し始めている。感染症対策だけでなく、ペットとの共生による健康への効能も説く。横倉さんは「体力を維持し、免疫力を高め、感染症を乗り越える。このワンヘルスとウエルビーイングが豊橋でも広まってほしい」と結んだ。
【山田一晶】

「ワンヘルスとウエルビーイングを広めて」

 東愛知サロン会は25日、日本医師会名誉会長の横倉義武さんを講師に招き、豊橋市の「ホテルアソシア豊橋」で8月例会を開いた。テーマは「ワンヘルスとウエル・ビーイング~コロナパンデミックを振り返り」。サロン会会員だけでなく、医師会などからの特別参加の人も訪れ、約180人が聴き入った。
 2012年から8年間、日本医師会長を務め、17年からは日本人として3人目の世界医師会長に就任した。福岡県みやま市にある「弘恵会ヨコクラ病院」の理事長。
 1969年に医師になった横倉さんは「20世紀末、人類は感染症を克服したと思っていたが違った」と振り返った。新型コロナウイルスを含めた人獣共通感染症がこの100年で1500種類も新たに生じたことを指摘した。背景として、人口増に伴う急速な森林破壊、地球温暖化があるという。「野生動物のウイルスが人の世界に入り込んできた」と横倉さんは警鐘を鳴らした。
 さらに移動手段の高速化によって、スペイン風邪が流行した100年前は世界一周に60日かかっていたものが現代は1日で可能になった。2002~03年には「SARS(重症急性呼吸器症候群)」が、12年からは「MERS(中東呼吸器症候群)が流行した。そして19年末からの新型コロナ。「10年に一度は新しい流行が起きるようになった」と横倉さん。
 そんな世界の高齢化社会ではWHOが提唱する「ウエルビーイング」が大事だと述べた。「身体だけではなく、精神面、社会面も含めた健康」を指す。そのために「ポジティブ感情」「物事への積極的関わり」「他者との良い関係」「人生の意味や意義の自覚」「達成」の5領域を高める必要があるという。
 また、横倉さんが医師会長時代の13年、医師会は獣医師会と「学術協力の協定書」を結んだ。人の健康、動物の健康、環境の保全の三つの分野の関係者が一体となり、連携して対応するのが「ワンヘルス」の目指す内容で、世界で普及し始めている。感染症対策だけでなく、ペットとの共生による健康への効能も説く。横倉さんは「体力を維持し、免疫力を高め、感染症を乗り越える。このワンヘルスとウエルビーイングが豊橋でも広まってほしい」と結んだ。
【山田一晶】

ワンヘルスについて講演する横倉さん=ホテルアソシア豊橋で
ワンヘルスについて講演する横倉さん=ホテルアソシア豊橋で
多くの人が聴き入った
多くの人が聴き入った

カテゴリー:社会・経済

 PR

PR