訪日富裕層の豊川稲荷ツアー 来年スタートへ

　豊川市の「豊川稲荷（妙厳寺）」と周辺の商店街を舞台にした富裕層向けのツアー「叶―ＫＡＮＡＥ」が来年から始まる。19日、報道関係者向けに公開された。
　インバウンド需要に合わせ、富裕層の訪日外国人に、豊川の歴史や文化を体験してもらうのが狙い。東京都港区でラグジュアリートラベルツアーを手掛けるＯＵＧＩ、本町商店街をはじめ地元の商店街で構成されるＫＡＮＡＥ推進協議会が企画した。世界的な墨絵アーティストの西元祐貴さんの作品が常設展示されるほか、狐面の絵付け体験、門前の商店街での食べ歩きやストリートパフォーマンス、寺宝館での演舞スペシャルステージ、最祥殿でのスペシャルディナーショーなどがある。
　関係者向けツアーでは、西元さんによるライブパフォーマンスがあった。緊張感のある荘厳な空気が漂う中、流れるようなピアノの音楽にのせて、５種類の筆を使い分け、縦２㍍、横１㍍の台紙に「龍」を描いた。繊細かつダイナミックな動きに参加者から大きな拍手が起きた。
　他にも、「ある日の米騒動」と題した仮面黙劇、豊川稲荷の歴史の一つ「平八郎物語」をテーマにした舞などが披露された。
　門前では、約90年続く「松屋」で地元食材を使った稲荷ずしとそばが振る舞われた。田原産の豚を使った豚カツ、旬の果物とクリームチーズをのせた品など、ツアーでは25種類以上の稲荷ずしなどが楽しめる。
　太田高揚社長（43）は「豊川の歴史文化や人など、この地域ならではの空気感に触れてもらいたい」と意気込む。一般販売は10月を予定。ＳＳチケット30万円、Ｓチケット18万円、チケット４万円（税別）。問い合わせは推進協議会（ｋａｎａｅ－ｐｒｏｊｅｃｔ＠ｏｕｇｉ－ｊａｐａｎ．ｃｏ．ｊｐ）へ。
【北川壱暉】