豊橋で夏目デザイン「曳家」工事

　豊橋市湊町の建築設計事務所「夏目デザイン」は10～11月、同市関屋町で、建物をそのままにして場所を移動させる「曳家（ひきや）」の工事をした。
　築１００年以上の木造２階建ての古民家で、かつては旅館として使っていたという。道路沿いにあったが、駐車スペースを確保するため７㍍移動する必要が生じた。
　工事は豊川市の専門業者に依頼した。最初にジャッキで建物全体を約１・５㍍引き上げた。建物の下に置いたレールを使って、ゆっくりと移動させた。
　施主から「思い出が詰まった家を使い続けたい」という申し出があった。併せてリフォーム工事をしており、断熱化して省エネ住宅へと生まれ変わる。
　現場監督の高橋琉聖さんは「初めての経験でしたが、ベテラン職人の力でうまくできました。２人だけで作業をしており、すごいと思いました」と話した。
　夏目学社長は「家の歴史を残したいという思いを実現するために、曳家工事を選びました。これからも施主の思いをくんで家づくりをしていきます」と話した。
【竹下貴信】