「勝負の年」立浪竜が始動

　プロ野球は１日、沖縄と宮崎の両県で、オリックスと西武以外の10球団がキャンプインした。最下位からの逆襲を狙う中日ドラゴンズの立浪和義監督（54）に、今季の意気込みを聞いた。就任３年目の今季を「勝負の年」と位置づけ、「優勝争いの輪に入れるように、チーム一丸になって戦いたい」と意気込む。昨季は、52勝82敗５分けで球団史上初の２年連続最下位に終わったが、戦力は整いつつある。夢のリーグ制覇へ、立浪ドラゴンズが動き出す。

　昨季は３月のオープン戦で、新戦力のアキーノや田中幹也、細川成也らが随所に良いプレーを見せ、勝ち越し。「今季こそは」と期待が高まったが、公式戦が始まると投打がかみ合わず、９月以外は負け越した。
　「細川や岡林勇希ら若い選手が育ってきた」とする一方で、期待されていたアキーノが１本塁打に終わり、得点力不足に苦しんだ。そこでオフに野手陣を強化。巨人から打点王３度の中田翔、ベストナイン４度の中島宏之、ソフトバンクから強肩強打の上林誠知、新外国人のディッカーソンが入った。
　中田とは、２０１３年のＷＢＣで打撃コーチと選手の間柄。「打撃や守備にも期待したいが、おとなしい選手が多い中でチームの雰囲気を変えてほしい」と期待する。
　昨年の代打成功率はリーグ最下位で、実績のある中島への期待も大きい。「打席に立つだけで、相手にプレッシャーをかけられる。ここぞの場面で安打を打てる人が適任」と語った。
　レギュラー陣は「岡林や細川も含めて競争して勝ち取ってほしい」と強調。４番は中田や細川、石川らが候補に。「キャンプの動きを見て決めたい」とした。二遊間は激戦で「守備力を重視して決めたい。龍空、村松開人、田中、ルーキーの津田啓史らの競争」と話す。　
　一方、投手陣はチーム防御率が３・08とリーグ２位と安定。先発が高橋宏斗や柳裕也、小笠原慎之介の３人が軸。中継ぎは豊橋出身の藤嶋健人や、32セーブのマルティネス、若手の清水達也や松山晋也ら、盤石の布陣だ。注目は、終盤は抑えも務めた藤嶋。56試合に登板して防御率１点台を記録した。「どんな状況でも結果を残してくれる。ベンチにとって頼りになる」と評価した。
　開幕に向け「選手には甘い言葉ばかり言えない。ファンのために強いチームにする方針はぶらさず、選手と向き合っていきたい」と力を込めた。
【北川壱暉】