新しい設楽署富山駐在所が完成

　県警が豊根村富山で整備していた新しい設楽署富山駐在所が完成した。地区内の元新城市消防署施設を改修した。25日に完成式があった。４月１日に供用開始する。
　旧富山村地区を管轄する１９２６年４月に河内巡査駐在所として開設された。佐久間ダム建設に伴って移転し、77年から現在の村役場富山支所隣にある。耐震化されていないことから県警が新しい候補地を探していた。
　現駐在所から西２００㍍の消防署駐在所が２０２１年９月末に廃止された。村と協議して県警が施設と土地を借用して改修を進めた。
　新しい駐在所は３階建て。窓口応対と車庫は２階で、カウンターのほか、防犯用にアルミ製の遮蔽（しゃへい）板を設けた。旧消防団寄合所となっていた１階施設は災害時などの拠点施設とする。３階は勤務員の鈴木章仁警部補（61）の居住スペースとなる。
　式で吉見文吾署長は「引き続き富山地区の安全安心に向けて取り組みます」とあいさつした。県警地域部の鈴木彰部長は「静岡と長野の県境が近いため、自然災害の時は活動拠点として期待がかかる」と述べた。
　富山地区は２月末現在で31世帯56人が生活する。長野県境に八嶽山（標高１１４１㍍）と静岡県境に日本ケ塚山（１１０８㍍）があり、近年の登山ブームで来訪者も多いという。
【安藤聡】