Xで注目を集める「豊橋」

　Ｘ（旧ツイッター）で22～24日、にわかに「豊橋」が注目を集めた。ある投稿（ポスト）に「豊橋は未開拓の地」と紹介されたためだ。社会人となって最初の赴任地に関する内容だった。地元の人間として反発する人も多かったが、24日正午現在で１４４７万回表示され、１・９万回の「いいね！」がついている。また、これをきっかけに豊橋の魅力を再確認するようなやり取りも相次いだ。
　元の投稿があったのは22日午後３時すぎ。都市銀行の元行員という人物が「【全国転勤の怖さを知らない君たちへ】～君には全国転勤の覚悟があるのか～」と題し、２５００字超の長文をポストした。
　入行し、最初の３週間の研修最終日に配属先が発表されたという。そして「豊橋法人営業部」と書かれた紙を渡された。「終講式終了後にそのまま２時間後発の新幹線のチケットを渡され親にも彼女にも今生の別れを告げられぬまま豊橋という、それまで聞いたことない未開拓の地に飛ばされました」と書く。
　豊橋での生活は「地方のリアルな週末なんて東京に戻る夢を見ながら、カフェの端っこの席で勉強するか、田舎の空を眺めてぼんやり呼吸するくらいしかやることがありません」「地方には寂しさを紛らわす出会いすらありません」「みんな週末は東京に合コンしにきます。地方からわざわざ東京まで合コンしに行くのです。その様はまるで寂しくて山から降りてきた悲しきモンスターです」などと描写した。
　そして「そんな全国転勤な君たちへの今後の活躍と健康を祈念しつつ、最後まで読んで頂き感謝申し上げます。さぁみんなも地方に行こうぜ！」と結ばれている。
　「豊橋は田舎じゃない」という返信に反応があり「名古屋までの道のり19分は新幹線換算はダメ。東海道線換算にしなさい。メインストリートには精文館書店とヤマサのちくわしかないし丸栄が撤退して穂の国百貨店ってなんやねん」と返していた。また学歴に関する発言もあったがその後はこの問題に関しては沈黙しているようだ。（引用は原文ママ）
　これに対し、多くの人が反応した。「豊橋の解像度が高い」と評価する意見もあれば、発言を非難する投稿、当人の心理を分析する投稿、都市圏人口を分析するポスト、所属した銀行の愛知県における地位を指摘するもの、あるいは豊橋の名物を披露するものなどさまざまだ。また、人生を左右する転勤制度について考えさせられる、という指摘もあった。
　たまたま、24日にＪＲ東海と「カプコン」のコラボしたデジタルスタンプラリーイベント「豊橋へ一狩りいこうぜ！」が始まり、ゲーム「モンスターハンター（モンハン）」のファンからも注目されたタイミングだった。豊橋市在住の漫画家で「だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん！」で知られる佐野妙さんは「未開の地・豊橋でモンハンコラボ始まるよ～！　ってきれいな流れができたので例の『未開の地・とよはし』発言は、盛大な仕込みだったと思っています。どこの誰だか知らんが、ありがとう！　おかげで豊橋のいいところいっぱい知ることができたよ！」とポストした。
【山田一晶】