豊橋の女性殺害事件 知人の男を逮捕

　豊橋市大村町のアパートの一室で２０１１（平成23）年、住人の飲食店アルバイト、福山生枝さん＝当時（53）＝が殺害された事件で、豊橋署特別捜査本部は５日、福岡県小郡市のトラック運転手、多久英俊容疑者（52）を強盗殺人の疑いで逮捕したと発表した。多久容疑者は殺害したことは認めている一方で、強盗容疑については否認している。特捜本部は、動機など詳しい経緯を調べている。
　逮捕容疑は11年11月27日午前０時８分～翌28日午後３時半ごろ、豊橋市大村町の福山さん方で、福山さんの首を絞めるなどして窒息死させ、現金とテレビなど２点（計約２万４１５０円相当）を奪った疑い。
　特捜本部によると、２人は事件の２年ほど前にインターネットの会員制サイトを通じて知り合った。多久容疑者が仕事で愛知県に来る際、何回か会っていたという。
　事件当時、福山さんの携帯電話がなくなっていたが、その後の捜査で多久容疑者が持ち去ったことが分かった。通話やメールなどの履歴を隠すためだったとみられる。
　当時、福山さんは一人暮らし。28日午後３時すぎ、福山さんから携帯メールの返信がないことを不審に思った知人男性が部屋を訪れ、室内のベッド脇で全裸に近いあお向けの状態だった福山さんの遺体を発見した。衣服は遺体脇にまとめて置かれ、両手首はテープで幾重にも巻かれていたという。
　部屋は荒らされておらず、争った形跡もないことなどから、捜査本部は顔見知りの犯行が高いと判断、福山さんの交友関係者５００人以上から聞き取り捜査を進めていた結果、多久容疑者が浮上。４日、立ち寄り先の長崎県内で逮捕し、５日朝に豊橋署へ移送した。