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蒲郡で東三河地域防災協議会のセミナー

講演する佐藤町長=蒲郡市民会館で
講演する佐藤町長=蒲郡市民会館で

 東三河地域防災協議会の2017(平成29)年度セミナーが27日、蒲郡市民会館で開かれた。東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の佐藤仁町長(66)が講演し「想定外は許されない。想定を超える想定をすることが大事」とし、発災後の対策を事前に考える「事前復興」の重要性を説いた。
 震災で同町は死者620人、行方不明者211人、全壊建物は全体の58・62%となる3143戸の被害があった。町では二度と津波で死者を出さないとして計画した高台移転整備事業を完了させたほか、南三陸病院を再建させた。
 佐藤町長は事前復興について「発災後の復興状況を事前に想定することで円滑な復興と被災者の生活再建を考えることに努めることができる」とし、東三河の行政関係者には「あらかじめ公共施設の統廃合を行い、維持管理費など自治体の財政負担を考えていく必要がある」とアドバイスした。
 地震発生当時に避難していた防災対策庁舎が「震災遺構」として宮城県の県有化となった際には「遺族から残すのと取り壊すのと賛否が分かれた。住民意見で賛成が半数以上あることから残すことにした」と振り返った。
 震災後の教訓では災害対策を行う段階で女性登用をして対応を図ることや、避難所向けには全国から送られた支援物資の管理徹底を行う人材の必要性、行政では遠隔地との災害応援協定を結ぶことを助言した。
 セミナーでは形原中学校同級生でつくる「形原五七巳午(みうま)紙芝居同好会」が三河地震の紙芝居を上演したり、会場で地震発生を想定して一斉に安全行動をとる「シェイクアウト訓練」が行われた。
(安藤聡)

 東三河地域防災協議会の2017(平成29)年度セミナーが27日、蒲郡市民会館で開かれた。東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の佐藤仁町長(66)が講演し「想定外は許されない。想定を超える想定をすることが大事」とし、発災後の対策を事前に考える「事前復興」の重要性を説いた。
 震災で同町は死者620人、行方不明者211人、全壊建物は全体の58・62%となる3143戸の被害があった。町では二度と津波で死者を出さないとして計画した高台移転整備事業を完了させたほか、南三陸病院を再建させた。
 佐藤町長は事前復興について「発災後の復興状況を事前に想定することで円滑な復興と被災者の生活再建を考えることに努めることができる」とし、東三河の行政関係者には「あらかじめ公共施設の統廃合を行い、維持管理費など自治体の財政負担を考えていく必要がある」とアドバイスした。
 地震発生当時に避難していた防災対策庁舎が「震災遺構」として宮城県の県有化となった際には「遺族から残すのと取り壊すのと賛否が分かれた。住民意見で賛成が半数以上あることから残すことにした」と振り返った。
 震災後の教訓では災害対策を行う段階で女性登用をして対応を図ることや、避難所向けには全国から送られた支援物資の管理徹底を行う人材の必要性、行政では遠隔地との災害応援協定を結ぶことを助言した。
 セミナーでは形原中学校同級生でつくる「形原五七巳午(みうま)紙芝居同好会」が三河地震の紙芝居を上演したり、会場で地震発生を想定して一斉に安全行動をとる「シェイクアウト訓練」が行われた。
(安藤聡)

講演する佐藤町長=蒲郡市民会館で
講演する佐藤町長=蒲郡市民会館で

カテゴリー:社会・経済

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