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田原凧の学校「はやぶさ」設立

凧の学校「はやぶさ」に入校した子どもたち=田原福祉センターで
凧の学校「はやぶさ」に入校した子どもたち=田原福祉センターで
開校式で鈴木校長に誓いの言葉を述べる林君=同
開校式で鈴木校長に誓いの言葉を述べる林君=同

 江戸時代から伝わる田原凧の後継者を育成しようと、小・中学生、若者を対象にした凧の学校「はやぶさ」が設立され、1日、開校式が同市田原福祉センターで開かれた。大空で自由自在に動かせるのが田原凧の魅力の一方、操作できる腕達者が少なくなり、田原凧保存会などの有志が立ち上げた。
 田原凧は、子どもの誕生を祝って揚げる「初凧」と糸を切り合う「けんか凧」があり、同保存会が受け継ぐ。
 けんか凧は、凧を右に左、急降下など自在に操れるのがだいご味。揚げ手を夢中にさせるが、近年はけんか凧合戦の参加者が減り、担い手が課題となっている。
 「高齢化も一因だが、子どもの頃に凧を揚げる経験が減っているのも要因」と同保存会に所属し、凧の学校の代表に就任した鈴木裕さん(71)=田原市。「子どもの頃に体験することが大事」と話す。
 5年前には、伝統文化を学ぼうと、地元・市立田原中部小学校の総合学習に取り入れられ、同保存会中部小学校支部が誕生、同小に凧クラブも生まれた。3年前には有志による日曜練習も始まった。
 参加する児童たちは操作もうまくなり、面白さを覚えたが、その中心の子どもたちは卒業し、今月から中学生。中学校では、凧の組織がないため、練習の継続、子どもたちの居場所づくりとして、保存会の会員、ものづくりの市民団体メンバーらが凧の学校をつくった。
 テーマに「大空の文化を楽しく次世代に」を掲げ、凧揚げの技、凧作りの技術を伝授していく。
 入校したのは、中学生の部に11人、小学生の部に田原中部小6年生や衣笠小4・5年生の10人。子どもだけでなく、若者の部も設け、地元企業に勤める10人。
 約2年前から日曜練習に参加している田原中1年・林大和君は、この日の式で「最初は手が痛く、大変でしたが、今は操作が面白く、夢中で揚げています。学校でさらに腕を磨き、憧れの凧合戦に参加したい」と力強く述べた。
 林君を練習に誘った同・柴田浬李君は、鈴木校長らとの出会いを通じ田原凧に魅了された。「凧を揚げている時は心がゆったりとし、落ち着きます。良いことがあった後の凧揚げは絶好調で、凧がぼくの思い通りに動いているので、とても楽しい」という。
 子どもの頃の経験が後継者につながった見本もある。凧合戦に参加している静岡県菊川市のチームは、小学生時代の体験が今につながり、高度な技「はやぶさ」も持つ。
 「全ての技をこなせた上でできる技」で、技を極める意味からもこの学校名にもなった。
 鈴木校長は「腕を上げてもらい、大人と互角に戦えるよう育ってほしい」と入校した子どもらに期待を寄せている。
(中村晋也)

 江戸時代から伝わる田原凧の後継者を育成しようと、小・中学生、若者を対象にした凧の学校「はやぶさ」が設立され、1日、開校式が同市田原福祉センターで開かれた。大空で自由自在に動かせるのが田原凧の魅力の一方、操作できる腕達者が少なくなり、田原凧保存会などの有志が立ち上げた。
 田原凧は、子どもの誕生を祝って揚げる「初凧」と糸を切り合う「けんか凧」があり、同保存会が受け継ぐ。
 けんか凧は、凧を右に左、急降下など自在に操れるのがだいご味。揚げ手を夢中にさせるが、近年はけんか凧合戦の参加者が減り、担い手が課題となっている。
 「高齢化も一因だが、子どもの頃に凧を揚げる経験が減っているのも要因」と同保存会に所属し、凧の学校の代表に就任した鈴木裕さん(71)=田原市。「子どもの頃に体験することが大事」と話す。
 5年前には、伝統文化を学ぼうと、地元・市立田原中部小学校の総合学習に取り入れられ、同保存会中部小学校支部が誕生、同小に凧クラブも生まれた。3年前には有志による日曜練習も始まった。
 参加する児童たちは操作もうまくなり、面白さを覚えたが、その中心の子どもたちは卒業し、今月から中学生。中学校では、凧の組織がないため、練習の継続、子どもたちの居場所づくりとして、保存会の会員、ものづくりの市民団体メンバーらが凧の学校をつくった。
 テーマに「大空の文化を楽しく次世代に」を掲げ、凧揚げの技、凧作りの技術を伝授していく。
 入校したのは、中学生の部に11人、小学生の部に田原中部小6年生や衣笠小4・5年生の10人。子どもだけでなく、若者の部も設け、地元企業に勤める10人。
 約2年前から日曜練習に参加している田原中1年・林大和君は、この日の式で「最初は手が痛く、大変でしたが、今は操作が面白く、夢中で揚げています。学校でさらに腕を磨き、憧れの凧合戦に参加したい」と力強く述べた。
 林君を練習に誘った同・柴田浬李君は、鈴木校長らとの出会いを通じ田原凧に魅了された。「凧を揚げている時は心がゆったりとし、落ち着きます。良いことがあった後の凧揚げは絶好調で、凧がぼくの思い通りに動いているので、とても楽しい」という。
 子どもの頃の経験が後継者につながった見本もある。凧合戦に参加している静岡県菊川市のチームは、小学生時代の体験が今につながり、高度な技「はやぶさ」も持つ。
 「全ての技をこなせた上でできる技」で、技を極める意味からもこの学校名にもなった。
 鈴木校長は「腕を上げてもらい、大人と互角に戦えるよう育ってほしい」と入校した子どもらに期待を寄せている。
(中村晋也)

凧の学校「はやぶさ」に入校した子どもたち=田原福祉センターで
凧の学校「はやぶさ」に入校した子どもたち=田原福祉センターで
開校式で鈴木校長に誓いの言葉を述べる林君=同
開校式で鈴木校長に誓いの言葉を述べる林君=同

カテゴリー:社会・経済

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