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豊川事件で弁護団が名古屋高裁に田邉さん意見書

田邉氏の再審を求める署名の提出へ高裁に入る支援者ら=名古屋高裁前で
田邉氏の再審を求める署名の提出へ高裁に入る支援者ら=名古屋高裁前で

 2002(平成14)年7月の豊川幼児殺害事件で有罪が確定するも、無実を訴えている田邉雅樹受刑者(51)の弁護団が19日、名古屋高裁に田邉氏の意見書を提出した。意見書提出は高裁の要請に応じたもので、再審の条件にもなっており、5月にも再審決定か棄却かの判断が下されるとみられる。支援者らは公正な判断を求めて署名も提出した。
 後藤昌弘団長ら弁護団が名古屋高裁に提出した意見書で、田邉氏は事件に一切無関係だと主張。警察から、怒鳴られたり机を叩かれるなど威圧的な取り調べを受け「暴力を振るわれるのではないかと恐怖心が続き、心臓がドキドキして貧血を起こしたので、認めざるをえない状況になって虚偽の自白に至った」と証言している。「否認したら無期懲役に近い判決を受けるぞ」「(被害者が)成仏できんぞ」とも言われたと明かしている。
 弁護団は一昨年7月に再審を請求した際と、昨年6月に田邉氏の無罪を証明する実験資料など20点以上の証拠資料を提出しているが、今回は新たにそれらを補足する資料も提出した。
 高裁が意見書の提出を求めたことで、弁護団や支援者は再審決定を期待するが、高裁、弁護団、検察による三者協議が一度も行われておらず、高裁の山口裕之裁判長が昨年12月に「名張毒ぶどう酒事件」で再審請求を棄却した前例を踏まえ、「田邉さんを守る会」(福住幹夫会長)など支援者50人が高裁前で声を上げた。
 福住会長は、証拠資料の吟味や事件現場の視察、三者協議を改めて求め「このまま何もせず形式だけを取り、この事件を終わりにするのではと心配している。誠実に仕事をしてほしい」。賛同する署名1285人分も追加で提出し、これまでの分と合わせて1万285通となった。
 この事件では田邉氏を犯人とする物的証拠や目撃談はなく、検察が主張する“自白”の内容にも複数の矛盾が浮上している。
(由本裕貴)

 2002(平成14)年7月の豊川幼児殺害事件で有罪が確定するも、無実を訴えている田邉雅樹受刑者(51)の弁護団が19日、名古屋高裁に田邉氏の意見書を提出した。意見書提出は高裁の要請に応じたもので、再審の条件にもなっており、5月にも再審決定か棄却かの判断が下されるとみられる。支援者らは公正な判断を求めて署名も提出した。
 後藤昌弘団長ら弁護団が名古屋高裁に提出した意見書で、田邉氏は事件に一切無関係だと主張。警察から、怒鳴られたり机を叩かれるなど威圧的な取り調べを受け「暴力を振るわれるのではないかと恐怖心が続き、心臓がドキドキして貧血を起こしたので、認めざるをえない状況になって虚偽の自白に至った」と証言している。「否認したら無期懲役に近い判決を受けるぞ」「(被害者が)成仏できんぞ」とも言われたと明かしている。
 弁護団は一昨年7月に再審を請求した際と、昨年6月に田邉氏の無罪を証明する実験資料など20点以上の証拠資料を提出しているが、今回は新たにそれらを補足する資料も提出した。
 高裁が意見書の提出を求めたことで、弁護団や支援者は再審決定を期待するが、高裁、弁護団、検察による三者協議が一度も行われておらず、高裁の山口裕之裁判長が昨年12月に「名張毒ぶどう酒事件」で再審請求を棄却した前例を踏まえ、「田邉さんを守る会」(福住幹夫会長)など支援者50人が高裁前で声を上げた。
 福住会長は、証拠資料の吟味や事件現場の視察、三者協議を改めて求め「このまま何もせず形式だけを取り、この事件を終わりにするのではと心配している。誠実に仕事をしてほしい」。賛同する署名1285人分も追加で提出し、これまでの分と合わせて1万285通となった。
 この事件では田邉氏を犯人とする物的証拠や目撃談はなく、検察が主張する“自白”の内容にも複数の矛盾が浮上している。
(由本裕貴)

田邉氏の再審を求める署名の提出へ高裁に入る支援者ら=名古屋高裁前で
田邉氏の再審を求める署名の提出へ高裁に入る支援者ら=名古屋高裁前で

カテゴリー:社会・経済

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