戦争と家族・仕事をテーマに「平和を求めて とよはし展」

　豊橋市中央図書館で、第１回「平和を求めて　とよはし展」が開催中。同館２階展示コーナーでは「戦争と家族・仕事」をテーマに各種資料を並べている。９月２日まで。
　これまで豊橋市図書館が主催してきた「平和を求めて」図書館資料展と、同市教育委員会の平和教育研究委員会主催「子どものための平和展」を統合、今年度から「平和を求めて　とよはし展」として再スタートを切った。図書館資料展時代から毎年１つのテーマを掘り下げて展示を行っており、今回第１回目のテーマには「戦争と家族・仕事」を据え、子どもたちや保護者に関心を持ってもらおうと、戦時中の家族や仕事を取り上げた。
　会場には同館が調査・制作した展示用パネル20枚に加え、展示図書１０４冊、その他展示資料１３０点を用意。豊橋市がＮＨＫ朝ドラ誘致に力を入れる古関裕而・金子夫妻について戦中を中心に紹介したほか、豊橋駅の空襲や満蒙開拓について聞き取り取材のパネルや関連資料の展示、戦前・戦中・戦後の豊橋の商工業の動き、豊橋出身者の遺した画文集から見る戦前戦中の豊橋の様子、市民から聞いた戦争体験談など、さまざまな角度から見た戦中の市民の様子を紹介している。
　また、同市立向山小６年児童（現・中部中１年）の学習発表や、同市立西郷小学校と細谷小学校の「青い目の人形」「答礼人形」のレプリカ計４体、初公開となる白山比咩（ひめ）神社の空襲で一部が焼け焦げた獅子頭と棟札も展示した。
　調査に当たった同館の藤原喜郎さんは「皆が家族で協力し、苦難を乗り越えようとしたこと、生き残る術を必死に探していた姿を多くの人に見てもらい、当時の人たちの生き様を感じ取ってほしい」と話す。
　記念行事として28、29の両日は「子どものための平和の集い」を開催。29日は午前10時から「子ども平和交流会」として「青い目の人形　コネタの物語」上演・意見交換会など実施。午後１時半からは「語ろう　わたしたち・おれたちの戦争」と題し、中部中１年生による発表や空襲体験者らによる座談会（先着１５０人）など予定している。
（田中博子）