トピー工業豊橋製造所 60周年を祝う

　鋼材や履帯などを製造しているトピー工業豊橋製造所の60周年記念行事が16日、豊橋市明海町、三河港・明海地区の同所で行われた。式典や見学ツアーなどがあり、従業員や家族らが豊橋製造所の歴史を振り返り、親睦を深め合った。
　明海地区は、戦時中に海軍航空基地だった「大崎島」の外周を埋め立てて誕生。最初の進出企業として、トピー工業豊橋製造所の前身、東都製鋼豊橋製鋼所が外周埋立前の１９５８（昭和33）年に操業を始めた。以来、発展を遂げ、製造から加工、組み立てまで一貫してできるのが特徴の製造所で、豊橋から世界に製品を送り出している。
　式典では、竹内征規所長が60年の歴史に「従業員や家族の皆さんのおかげ」と感謝。映像で歩みや事業内容を紹介し「豊橋製造所は、高度成長期の東三河の大規模産業の始まりと言っても過言ではない。社会に貢献し、地域の皆さんに信頼される工場であることを決意する」と述べた。
　また、スチール事業部、造機事業部など各事業を紹介。スチール事業部は鋼材を製造し、造機事業部は建設機械用の足回り部品、履帯などを生産している。サイエンス事業部もあり、独自の履帯システムの技術を用いてクローラーロボットを開発、ファンデーションなど化粧品の原料も作っている。
　クローラーロボットは、東日本大震災の福島第１原発事故で調査などに活用され、狭いスペースなどで高い機動性を発揮した。
　東都製鋼時代の映像が披露されたほか、式典後、会場一帯では飲食物、射的などのゲームコーナーが設けられ、従業員と家族らが食べたり、遊んだりしながらふれ合った。
（中村晋也）