水がめピンチ 節水に協力を

　豊川用水の水源・宇連ダム（新城市）などの貯水量が低下しているため、26日、農業用水、水道用水、工業用水の節水率が従来の各10％から15％に強化された。関係する東三河の５市は、公園などの噴水や一部トイレの中止など、水の使用を抑える対応を開始。市民には、引き続き節水への協力を呼び掛けている。

　27日からは史上最長10日間の連休。豊橋市によると、ゴールデンウイークや年末年始などの大型連休は、企業の休暇、外出機会の増加などで水の使用料が減る傾向という。このため、「洗車を控える」「風呂の水を再利用」など、市民が節水に協力することでダムの水の減り方を緩やかにすることができる。
　節水強化に合わせ、同市では、公共施設や小・中学校、主な事業所などに節水への協力を促すポスターを配布。校区市民館には節水ＰＲの垂れ幕を掛けた。豊橋公園などの噴水も取りやめた。

　豊川市は本庁舎や一宮、音羽支所に節水を呼び掛ける横断幕を掲げているほか、「ダムがピンチです」などと記した立看板も各出入口付近に増設し、ＰＲ板やポスターを掲示。26日は新たにＪＲ豊川駅東西自由通路に横断幕を掲げた。上下水道部に渇水対策本部を設置して対応しており、配水圧力調整を強化しているほか、稼働中の水源の取水量調整も準備している。

　豊川用水に１００％依存する蒲郡市は、市役所新館（地上８階建て）の２階から８階までの西側トイレを使用中止とした。
　同市水道課によると使用を中止すると清掃する必要がなくなって維持管理のための水道使用量を抑えるために行った。
　同日午前には同課職員が対象となる14カ所のトイレのドアに使用中止を呼び掛ける紙を張った。
　同市が一部のトイレ中止を行ったのは２０１３年に20％節水以来という。

　豊川流域は１月から降水量が少ない状態が続き、河川の流量が減少しているため、宇連ダム、大島ダムなどから都市用水、農業用水の必要量を河川に補給し続けている。
　今月に入っても河川の流況の改善が見られず、４月12日から節水に突入。その後、雨は降ったが、雨量が少なく、節水強化が続いている。
　田植えの季節を迎え、26日、田原市内で苗を植えた田んぼを見に来ていた男性は「今は（水不足）の影響はないが、これから雨がないと大変なことになる」と心配していた。　
　宇連ダムの貯水率は26日午前０時現在、13・９％となっている。
（取材班）