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28日に高齢者が死亡した交通事故現場=豊川市南大通で
28日に高齢者が死亡した交通事故現場=豊川市南大通で

愛知県が不名誉な記録から抜け出しつつある。16年連続で全国ワーストとなっている交通事故死亡者数だ。26日までで154人で、最多千葉県の169人に次いで2位。ワースト記録からの脱却は濃厚だが、一喜一憂すべきではない。運転手も歩行者も一層の安全意識を持ち、東三河から事故撲滅を広めるべきだ。
 28日、豊川市南大通3の信号交差点で、自転車に乗った88歳の男性が車にはねられ、搬送先の病院で死亡した。被害者の遺族だけでなく、加害者とその家族にとっても悲しい正月を迎えることになった。これで、今年の豊川市での死者数は昨年より3人多い8人となった。
 地域別にみると西三河が最多40人で、西尾張が35人、名古屋市が33人と続き、東三河は4番目の21人。東三河でも豊橋市が12人、豊川市が8人、新城、蒲郡市が各1人だ。年齢層別では65歳以上の高齢者が全体の約半数を占めている。
 県内での死亡者数は同時期比で30人近く減っているものの、都道府県別では2番目に多く、異常事態が続いていると言っていい。当事者たちに絶望をもたらす交通死亡事故は、発生すること自体が許されない。ワースト記録を脱却したら、これを機に全国最少のベスト記録を目指す勢いで意識高揚を図るべきだ。
 警察や自治体、交通安全協会などの各団体は街頭での安全運転の呼びかけや啓発品の配布といった活動に取り組むが、正直マンネリ化していると指摘せざるを得ない。本当に事故をなくすには、運転手らの心により強く訴えかける取り組みが求められる。
 海外のある国では交通事故の悲劇を再現したテレビCMが制作・放送された。事故の残酷さがリアルに伝わってくる内容で、大人も思わず目を背け、子どもや女性はトラウマになってしまいそうだが、このCMを見た人はハンドルを握りしめ、より慎重な運転を余儀なくされるだろう。
 近年、認知機能が低下した高齢者による事故やあおり運転などの悪質ドライバーが社会問題となっているが、事故原因で最も多いのは慢心や慣れだろう。誰もが自動車学校に通っていたころ、教習コースではルールを死守し、全神経を運転行為に注いでいたはずだ。誰もが初心者の心に戻り、または戻るような取り組みが悲しい事故をなくすことにつながる。
(由本裕貴)

愛知県が不名誉な記録から抜け出しつつある。16年連続で全国ワーストとなっている交通事故死亡者数だ。26日までで154人で、最多千葉県の169人に次いで2位。ワースト記録からの脱却は濃厚だが、一喜一憂すべきではない。運転手も歩行者も一層の安全意識を持ち、東三河から事故撲滅を広めるべきだ。
 28日、豊川市南大通3の信号交差点で、自転車に乗った88歳の男性が車にはねられ、搬送先の病院で死亡した。被害者の遺族だけでなく、加害者とその家族にとっても悲しい正月を迎えることになった。これで、今年の豊川市での死者数は昨年より3人多い8人となった。
 地域別にみると西三河が最多40人で、西尾張が35人、名古屋市が33人と続き、東三河は4番目の21人。東三河でも豊橋市が12人、豊川市が8人、新城、蒲郡市が各1人だ。年齢層別では65歳以上の高齢者が全体の約半数を占めている。
 県内での死亡者数は同時期比で30人近く減っているものの、都道府県別では2番目に多く、異常事態が続いていると言っていい。当事者たちに絶望をもたらす交通死亡事故は、発生すること自体が許されない。ワースト記録を脱却したら、これを機に全国最少のベスト記録を目指す勢いで意識高揚を図るべきだ。
 警察や自治体、交通安全協会などの各団体は街頭での安全運転の呼びかけや啓発品の配布といった活動に取り組むが、正直マンネリ化していると指摘せざるを得ない。本当に事故をなくすには、運転手らの心により強く訴えかける取り組みが求められる。
 海外のある国では交通事故の悲劇を再現したテレビCMが制作・放送された。事故の残酷さがリアルに伝わってくる内容で、大人も思わず目を背け、子どもや女性はトラウマになってしまいそうだが、このCMを見た人はハンドルを握りしめ、より慎重な運転を余儀なくされるだろう。
 近年、認知機能が低下した高齢者による事故やあおり運転などの悪質ドライバーが社会問題となっているが、事故原因で最も多いのは慢心や慣れだろう。誰もが自動車学校に通っていたころ、教習コースではルールを死守し、全神経を運転行為に注いでいたはずだ。誰もが初心者の心に戻り、または戻るような取り組みが悲しい事故をなくすことにつながる。
(由本裕貴)

28日に高齢者が死亡した交通事故現場=豊川市南大通で
28日に高齢者が死亡した交通事故現場=豊川市南大通で

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