献血中止などで深刻な血液不足

　新型コロナウイルス感染拡大が収まらぬ中、県下での血液不足が深刻化している。献血バスの配車を予定していた多数の献血会場が中止となっており、外出控えも加え、献血協力者の減少が看過できない問題だ。県赤十字血液センター（瀬戸市）はホームページ上で「献血のご協力は不要不急の外出にはあたりません」として広く協力者を募っている。豊橋事業所（豊橋市東脇３）は、通常は休日としている日曜と祝日だが、５月は臨時開所することを決めた。
　県内の今月の全血献血は、１日から21日までの３週間で、必要数（計画数）に対し約77％に留まり、約２０００人分が不足している状況という。「傾向としては都市部の献血会場での協力減少が顕著だ。テレワークへの移行なども影響しているのかも」と同センター。この状態が続くと、医療機関への輸血用血液の安定的な供給に支障を来たす恐れがあるという。
　同センター総務課の久保和也企画係長は「県内では多くの献血会場が中止になっており、献血会場の確保が非常に困難な状況です。緊急事態宣言下でも、毎日、輸血用血液を必要としている患者さんは多数いらっしゃいます」と話す。一方で「長期的に保存できない輸血用血液を患者さんに安定的に届けるには継続的な献血の協力が必要です。一時期に集中しないよう、また、密集を避ける上でも事前のご予約を」と呼び掛けている。

県赤十字血液センター豊橋事業所臨時開所へ

　豊橋事業所での来月の日曜、祝日開所の詳細は次の通り。
　５月３日（日）、４日（月、祝）、５日（火、祝）、６日（水、祝）、10日（日）、17日（日）、24日（日）、31日（日）。
　いずれも４００㍉㍑全血献血は午前９時から正午と、午後１時から同４時45分。成分献血は午前９時から同11時と、午後１時から同４時。臨時開設日に同事業所で献血に協力した人には、「インスタントスープ＆インスタントカレー」が贈られる。協力する際には「３密」を避けるため事前予約をし、マスク着用を求めている。
　予約、問い合わせは豊橋事業所（０５３２・32・１３３１。平日午前９時～午後５時）へ。詳細はホームページ＝ＱＲコード＝でも確認できる。
（田中博子）