大型連休の初日 遊園地、繁華街は閑散

　大型連休初日の29日、各地は感染防止の厳戒態勢となった。市などは人が集まる景勝地に車止めを設置するなどして感染拡大を抑え込もうとしている。絶好の初夏の陽気の下、例年なら多くの人でにぎわう集客施設、行楽スポット、駅前の繁華街は、所用で通り過ぎる人や車しかおらず、どこも閑散としていた。

　いつもなら、家族連れなどで大混雑する蒲郡市のラグーナテンボス。テーマパーク「ラグナシア」、ショッピングモール「フェスティバルマーケット」を訪ねた。11日から休業しており、静寂に包まれていた。
　感染拡大前は、園外からでも、乗り物などのアトラクションが動いているのが見えた。園内のＢＧＭも聞こえてくる。それがまったくない。。
　ラグーナテンボスの周囲の駐車場入り口には「侵入禁止」や「臨時休館中」と書かれた張り紙、休業のお知らせなどがあった。駐車場はガランとしており、職員の車と運休中のシャトルバスが止まっているだけだった。
　宿泊施設「変なホテルラグーナテンボス」も休業中で、ＪＲ蒲郡駅と施設を結ぶシャトルバスも運休している。

　景勝地の遠州灘沿岸、表浜海岸部も利用自粛モードだ。豊橋市は海岸に入らないよう求める看板を設置した。
　東細谷から赤沢までの海岸部出入り口部15カ所に看板がある。「緊急事態宣言により外出や移動の自粛を要請されているため、海岸への来訪を控えていただくようお願いいたします」との文が書かれている。市内に多いブラジル人向けに、ポルトガル語が併記されたものもあった。
　この日午前11時、小松原町の海岸には10台以上の車が止まっていた。豊橋だけでなく豊田や岡崎、三河ナンバーも目についた。家族連れで砂浜を歩いたり、消波ブロックの上でご飯を食べる姿が見られた。
　孫を連れてきた市内の70代男性は「間隔を開けて歩いたり、話をしたりするよう心がけています。混雑しないように集まらなければいいだけなのに」と話していた。
　国も、人が集まるのを防ごうとしている。国土交通省中部地方整備局豊橋河川事務所は、管轄する川の河川敷利用の自粛を呼び掛けている。バーベキューやデイキャンプなど、人が密集するおそれのある行為を控えるように看板を設置した。

　この日の名古屋駅前は時折、車の流れがまったく無くなるほどの交通量だった。通りを歩く人もほとんどおらず、異世界に迷い込んだような雰囲気だった。
（安藤聡、林大二朗）