ライブハウス「クラブノット」を守ろう
コンピレーションアルバム売り上げ全額寄付へ
新型コロナウイルスの感染拡大で窮地に立つライブハウスを助けようと、豊橋ゆかりのアーティスト全20組が参加したコンピレーションアルバムが先月、発売された。経費を除いた売り上げ全額を、豊橋市のライブハウス「club KNOT(クラブノット)」へ届ける。制作者で、元4人組バンド「ISAAC(アイザック)」の平山裕一さん(35)は「地元の大切な場所を守ろうというみんなの思いが、この1枚を完成させた」と力を込める。
タイトルは「MASK(マスク)」。「このアルバムが日常のつらいこと、嫌なことから守ってくれるものにしたい」との思いを込めた。元「ポタリ」のボーカルで、現在はソロで活動するナツノコエさんやインストゥルメンタルバンド「sozoro座mode」、ヒップホップアーティスト「DUSTY-I」など、ノットゆかりのアーティストの代表曲や新曲計20曲が収録されている。
アルバムのジャケットは昨年、さいたまスーパーアリーナで単独公演をした「04 Limited Sazabys」のボーカルで、地元出身のGENさんが手掛けた。豊橋発のオカルトユーチューバー「THC OCCULT RADIO」の限定動画も見られる特典付き。全員がノットのために無償で協力した。
外出自粛が続き、自宅で過ごす時間が増える中、いまこそ「いい音楽をやっている豊橋のバンドを知ってほしい」と平山さん。
集団感染の危険性が高い場所の一つとして挙げられたライブハウスの経営は厳しさを増す。2008(平成20)年12月にオープンしたノットも、月20本以上を展開してきたライブイベントが4月には全てキャンセルとなり、ステージから音が消えた。
アイザックとして幾度となくノットのステージに立ち、昨年末の解散もノットで幕を下ろした平山さん。そんな「自分の家のような存在」だったライブハウスは、ウイルス感染拡大の中で批判の的に。「ライブハウスやアーティスト、バンドマンにとって息苦しい時代になってしまった。それでも、音楽を志したからには音楽で恩返しをしたいと思った」と話す。
音楽をダウンロードやサブスクリプションで聞く時代に、あえてCDという形を選んだのは、みんなの気持ちを目に見える形で届けたかったからだ。
一方で、感染拡大の影響は、多くの事業者をのみ込み、ノットだけに手を差し伸べていいのか迷いもあったという。「自分がやっていることは『点』。支援したくてムズムズしている他人の背中が押せれば、点がいつか線になる」と広がりを期待する。
平山さんは願う。「コロナが終息したら、参加アーティストのツアーにこのアルバムを連れていってもらって、他のまちの人にノットや豊橋の魅力を伝えてほしい」と、「ポストコロナ」の時を見つめた。
1枚3000円(税込み)。購入はインターネット販売のみ。詳しくはQRコードで。
無観客ライブ配信用の資機材購入費など募る
ライブハウス「club KNOT」は11日まで、無観客ライブ配信用の資機材購入費などをクラウドファンディングで募っている。
大勢のアーティストや観客から、無観客でもライブを求める声が代表の尾藤元昭さん(41)=豊川市=に届いた。何カ月も終息しない可能性を考え、ステージに立つ機会を絶たれたアーティストの収入確保のためにも準備を決意。尾藤さんは「先が見えないのは、ほんとうに厳しい。だが、ノットを守るために考えつくことはすべてやる」と話す。
(飯塚雪)
コンピレーションアルバム売り上げ全額寄付へ
新型コロナウイルスの感染拡大で窮地に立つライブハウスを助けようと、豊橋ゆかりのアーティスト全20組が参加したコンピレーションアルバムが先月、発売された。経費を除いた売り上げ全額を、豊橋市のライブハウス「club KNOT(クラブノット)」へ届ける。制作者で、元4人組バンド「ISAAC(アイザック)」の平山裕一さん(35)は「地元の大切な場所を守ろうというみんなの思いが、この1枚を完成させた」と力を込める。
タイトルは「MASK(マスク)」。「このアルバムが日常のつらいこと、嫌なことから守ってくれるものにしたい」との思いを込めた。元「ポタリ」のボーカルで、現在はソロで活動するナツノコエさんやインストゥルメンタルバンド「sozoro座mode」、ヒップホップアーティスト「DUSTY-I」など、ノットゆかりのアーティストの代表曲や新曲計20曲が収録されている。
アルバムのジャケットは昨年、さいたまスーパーアリーナで単独公演をした「04 Limited Sazabys」のボーカルで、地元出身のGENさんが手掛けた。豊橋発のオカルトユーチューバー「THC OCCULT RADIO」の限定動画も見られる特典付き。全員がノットのために無償で協力した。
外出自粛が続き、自宅で過ごす時間が増える中、いまこそ「いい音楽をやっている豊橋のバンドを知ってほしい」と平山さん。
集団感染の危険性が高い場所の一つとして挙げられたライブハウスの経営は厳しさを増す。2008(平成20)年12月にオープンしたノットも、月20本以上を展開してきたライブイベントが4月には全てキャンセルとなり、ステージから音が消えた。
アイザックとして幾度となくノットのステージに立ち、昨年末の解散もノットで幕を下ろした平山さん。そんな「自分の家のような存在」だったライブハウスは、ウイルス感染拡大の中で批判の的に。「ライブハウスやアーティスト、バンドマンにとって息苦しい時代になってしまった。それでも、音楽を志したからには音楽で恩返しをしたいと思った」と話す。
音楽をダウンロードやサブスクリプションで聞く時代に、あえてCDという形を選んだのは、みんなの気持ちを目に見える形で届けたかったからだ。
一方で、感染拡大の影響は、多くの事業者をのみ込み、ノットだけに手を差し伸べていいのか迷いもあったという。「自分がやっていることは『点』。支援したくてムズムズしている他人の背中が押せれば、点がいつか線になる」と広がりを期待する。
平山さんは願う。「コロナが終息したら、参加アーティストのツアーにこのアルバムを連れていってもらって、他のまちの人にノットや豊橋の魅力を伝えてほしい」と、「ポストコロナ」の時を見つめた。
1枚3000円(税込み)。購入はインターネット販売のみ。詳しくはQRコードで。
無観客ライブ配信用の資機材購入費など募る
ライブハウス「club KNOT」は11日まで、無観客ライブ配信用の資機材購入費などをクラウドファンディングで募っている。
大勢のアーティストや観客から、無観客でもライブを求める声が代表の尾藤元昭さん(41)=豊川市=に届いた。何カ月も終息しない可能性を考え、ステージに立つ機会を絶たれたアーティストの収入確保のためにも準備を決意。尾藤さんは「先が見えないのは、ほんとうに厳しい。だが、ノットを守るために考えつくことはすべてやる」と話す。
(飯塚雪)