介護支援での感染防止へ

ケアマネジャーが医師による説明動画で学ぶ

　ケアマネジャー（介護支援専門員）が新型コロナウイルスに感染しないよう、また集団感染源とならないようにと、「豊橋市介護保険関係事業者等連絡会」は、コロナに関する医師による説明動画を作った。連絡会会員の90居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャー約２５０人に向けて動画の配信を始めた。
　連絡会は、豊橋市内の福祉サービス提供事業者や医療、保健、行政関係者らでつくる。年数回、勉強会を開くほか、ケアマネジャーを対象に研修交流会も開いてきた。緊急事態宣言後、ケアマネジャーは、月１回の居宅訪問を控え、電話やメールに切り替えている。定期的な研修もできないため、動画を配信することにした。
　連絡会の副運営委員長で市医師会理事でもある、芳賀勝・芳賀クリニック院長が講師を快諾。県医師会の許可を取り、医師会の研修で使った最新の資料をもとに、症状や検査方法、治療方針といった基本的な情報、最新情報を約40分にわたって紹介した。
　またこれとは別に質問を募り、「体調不良の訴えがあった場合、まず主治医に相談すればよいのか。本人に確認すべきことは」「新型コロナが疑わしい高齢者の自宅療養中、水分補給以外にどんな観察が必要か」「新型コロナを発症し入院した高齢者の、福祉用具回収での注意点は」など、さまざまな問いに芳賀院長が回答する約17分の動画も撮った。
　一般には非公開。ケアマネジャーが所属する各事業所に、動画配信サービス「ＹｏｕＴｕｂｅ」のＩＤとパスワードを送り、それぞれで視聴、研修している。
　「コロナ拡大防止が叫ばれる中、ケアマネジャーたちも知識が漠然としたままで不安を抱えている。今後、緊急訪問などの対応が必要な場合にどう対処すべきか学んでもらいたい」と担当者は話す。
　動画の配信は６月19日まで。次回は豊橋市保健所職員が①「豊橋市における新型コロナウイルス発生状況と保健所の現状」②「コロナ予防法や発生した場合の対応」－を撮影する。②は「訪問系事業所用」「通所系事業所用」「施設系事業所用」の３パターンを用意。７月上旬には約５００ある会員の介護保険事業所に配信する予定だ。
（田中博子）