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田原市天然記念物「ハマセンダン」が危機

予断を許さぬ状況が続く堀切小学校跡のハマセンダン=田原市堀切町で
予断を許さぬ状況が続く堀切小学校跡のハマセンダン=田原市堀切町で
樹勢もあった頃のハマセンダン(市提供)
樹勢もあった頃のハマセンダン(市提供)

 田原市堀切町の堀切小学校跡にある市天然記念物「ハマセンダン」(推定樹齢500年)が、樹勢の衰えで寿命が尽きる危機にひんしている。20年にわたり衰えては回復するという状況が続き、ここ数年は酷暑などの異常気象が拍車をかけたとの見方もある。市文化財課で樹木医の診断を受けるが、”体力的”な問題から土壌改良など薬や栄養剤に頼ることも慎重にならざるを得ないという。

 ハマセンダンは台湾や東南アジアで見られるミカン科の落葉高木。国内では三重県以南が生育地とされる。
 堀切小学校のものは固有か移植した種かは定かでないが、県内唯一の個体として旧渥美町時代の1993年に天然記念物指定された。市の巨木・名木に選ばれている。
 高さ10㍍、幹周3・5㍍で、左右数㍍にわたって枝が広がる。老齢化以降は重みで枝が折れないよう、地面と枝の間を丸太で固定してきた。
 指定以降にも樹勢の衰えは98年と2005年頃にも指摘された。樹木医から土壌改良や腐食部位の除去などの助言も受けていた。
 市文化財課の天野敏規課長は「当時は土壌改良もできたが、年老いている。栄養過多で死期を早めることにもなりかねない」と苦しい事情を説明する。
 また、ここ数年の異常気象で夏の平均気温が上昇したうえに、安定的に雨が降らなくなった点も心配材料だ。海岸からの潮風の影響も指摘される。閉校前後の数年間で樹勢は回復と衰弱を繰り返し、予断を許さない状態が続いているという。
 天野課長は「土壌改良や、せん定などの処置は影響は計り知れない。現実的には自然にまかせ、注意深く見守っていくしかない」と説明する。
 市内では今年、天然記念物だった野田小学校のホルトノキ(推定250年)が虫害で死滅し、指定を取り消された。今後、市の文化財保護審議会でさらなる保護の必要性を検討する。
【加藤広宣】 

 田原市堀切町の堀切小学校跡にある市天然記念物「ハマセンダン」(推定樹齢500年)が、樹勢の衰えで寿命が尽きる危機にひんしている。20年にわたり衰えては回復するという状況が続き、ここ数年は酷暑などの異常気象が拍車をかけたとの見方もある。市文化財課で樹木医の診断を受けるが、”体力的”な問題から土壌改良など薬や栄養剤に頼ることも慎重にならざるを得ないという。

 ハマセンダンは台湾や東南アジアで見られるミカン科の落葉高木。国内では三重県以南が生育地とされる。
 堀切小学校のものは固有か移植した種かは定かでないが、県内唯一の個体として旧渥美町時代の1993年に天然記念物指定された。市の巨木・名木に選ばれている。
 高さ10㍍、幹周3・5㍍で、左右数㍍にわたって枝が広がる。老齢化以降は重みで枝が折れないよう、地面と枝の間を丸太で固定してきた。
 指定以降にも樹勢の衰えは98年と2005年頃にも指摘された。樹木医から土壌改良や腐食部位の除去などの助言も受けていた。
 市文化財課の天野敏規課長は「当時は土壌改良もできたが、年老いている。栄養過多で死期を早めることにもなりかねない」と苦しい事情を説明する。
 また、ここ数年の異常気象で夏の平均気温が上昇したうえに、安定的に雨が降らなくなった点も心配材料だ。海岸からの潮風の影響も指摘される。閉校前後の数年間で樹勢は回復と衰弱を繰り返し、予断を許さない状態が続いているという。
 天野課長は「土壌改良や、せん定などの処置は影響は計り知れない。現実的には自然にまかせ、注意深く見守っていくしかない」と説明する。
 市内では今年、天然記念物だった野田小学校のホルトノキ(推定250年)が虫害で死滅し、指定を取り消された。今後、市の文化財保護審議会でさらなる保護の必要性を検討する。
【加藤広宣】 

予断を許さぬ状況が続く堀切小学校跡のハマセンダン=田原市堀切町で
予断を許さぬ状況が続く堀切小学校跡のハマセンダン=田原市堀切町で
樹勢もあった頃のハマセンダン(市提供)
樹勢もあった頃のハマセンダン(市提供)

カテゴリー:社会・経済

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