書家・浜野さん「寶」テーマに福井で個展

　福井出身の書道家浜野龍峰さん（60）＝豊橋市北山町＝が21日から11月１日まで、福井市美術館で、還暦を記念した大規模な個展を開く。
　浜野さんは高校時代まで福井で過ごし、大学進学を機に豊橋へ。師匠となる書道家の福瀬餓鬼さんに出会い、師事した。２０００年頃から海外で書の文化を広める活動に尽力、約20カ国でワークショップや展示会をしてきた。
　個展のテーマは「寶（たから）」。16年にアルゼンチン国立美術サロンで展示した「寶」をはじめ、中国の漢詩で玄宗皇帝と楊貴妃について書いた「長恨歌」を篆刻（てんこく）で表現した作品などが並ぶ。
　浜野さんは空間を生かした展示も得意で、壁面だけでなく、床面などを使ったビジュアルでも楽しめる展示方法にもこだわる。併せて、これまで浜野さんが訪ねた海外での様子を紹介する写真パネルも展示する。
　浜野さんは「どこの書道団体にも属さず、これまで書の世界で活動ができたのは、多くの人々とのご縁があったからこそ。このご縁を宝だと思って制作しました」と話す。
【竹下貴信】