豊橋の柳生川で地下河川工事
豊橋の市街地を流れる柳生川で豪雨による河川の氾濫を抑える地下河川工事が始まった。2008年の「平成20年8月末豪雨」では多くの住宅が浸水被害を受けた。近年は毎年のように記録破りの豪雨による災害が全国各地で発生している。地域住民も早期完成を待ち望んでいる。
平成20年8月末豪雨では、柳生川の処理能力を超える時間あたり50㍉、4時間で150㍉以上の集中豪雨に遭った。国道259号に架かる境橋付近では床上、床下浸水は140戸に上った。
工事は境橋を起点に下流の小池橋付近までの約500㍍の区間で、25年度の完成を目指して3月に着工した。
この区間は狭い川幅と密集する住宅、鉄道や道路を渡す橋が7本も架かる「狭さく区間」だ。堤防かさ上げなど護岸工事は難しかった。
県は狭さく区間の川底より深い地点に水路を掘って、豪雨で流れ込んだ多量の雨水を逃がす仕組みを採用した。
この工法で区間の両端に掘った「流入」「流出」の立杭でつなぎ、狭さく区間に流れ込む前にあふれた水量を地下河川から下流へと逃がす。
東三河建設事務所によると、現状の処理能力は毎秒130立方㍍が限度という。16年改定の県河川整備計画をもとに、平成20年8月末豪雨と同水準の水量を想定した能力を必要と判断した。新たな地下河川は、毎秒約70立方㍍程度の水量に対応できる能力とした。
現在は花中町の小池橋西側で流出立杭の掘削が始まった。柳生川沿岸ではこの他、豪雨と並ぶ高潮対策として、河口付近から小池橋付近までの堤防かさ上げも計画しているという。
【加藤広宣】
豊橋の市街地を流れる柳生川で豪雨による河川の氾濫を抑える地下河川工事が始まった。2008年の「平成20年8月末豪雨」では多くの住宅が浸水被害を受けた。近年は毎年のように記録破りの豪雨による災害が全国各地で発生している。地域住民も早期完成を待ち望んでいる。
平成20年8月末豪雨では、柳生川の処理能力を超える時間あたり50㍉、4時間で150㍉以上の集中豪雨に遭った。国道259号に架かる境橋付近では床上、床下浸水は140戸に上った。
工事は境橋を起点に下流の小池橋付近までの約500㍍の区間で、25年度の完成を目指して3月に着工した。
この区間は狭い川幅と密集する住宅、鉄道や道路を渡す橋が7本も架かる「狭さく区間」だ。堤防かさ上げなど護岸工事は難しかった。
県は狭さく区間の川底より深い地点に水路を掘って、豪雨で流れ込んだ多量の雨水を逃がす仕組みを採用した。
この工法で区間の両端に掘った「流入」「流出」の立杭でつなぎ、狭さく区間に流れ込む前にあふれた水量を地下河川から下流へと逃がす。
東三河建設事務所によると、現状の処理能力は毎秒130立方㍍が限度という。16年改定の県河川整備計画をもとに、平成20年8月末豪雨と同水準の水量を想定した能力を必要と判断した。新たな地下河川は、毎秒約70立方㍍程度の水量に対応できる能力とした。
現在は花中町の小池橋西側で流出立杭の掘削が始まった。柳生川沿岸ではこの他、豪雨と並ぶ高潮対策として、河口付近から小池橋付近までの堤防かさ上げも計画しているという。
【加藤広宣】