豊橋の山真自動車でバラが見頃

　豊橋市つつじが丘１の山真自動車で育てるバラの花が、昨年より半月以上早く見頃を迎えた。社屋横の壁面（約50㍍）に沿って、サイズも色彩も異なる花が咲き誇り、鮮やかな色とふんわりとした香りが道行く人を楽しませている。
　同社役員の山田ゆかさんが趣味で育てる。通りを歩く人の心が癒やせたらと、以前から季節が変わるたびに違う花が壁面を彩るよう、水やりにも時間をかけ、丹精込めて手入れしている。
　バラは一昨年春に初めて植えた。「青龍」「ターンブルー」「オデュッセイア」「アジュール」など、現在４５０種５００本を育てる。壁と側溝の間に直植えし、屋上（非公開）には鉢植えを置いた。壁際は約４㌢の狭い隙間ながら日当たりも良く、秋頃まで種類を変えて次々咲き続ける。一番多くの種類が花開くのが大型連休前後。近隣住民だけでなく、ガーデニング好きやアマチュアカメラマンらも県内外から訪れるという。
　そんな山田さんは「ＲＯＭＡＭＡＭＡ（ロマママ）」の名でユーチューバーとしても活躍中だ。約２年前にガーデニングのチャンネルを開設、屋上庭園の映像などを配信している。昨秋には登録者数が１０００人を超えた。新型コロナウイルス禍でイベントなどが中止になり、使うあてのなくなったバラの存在を知って、廃棄されるならとユーチューブの初収益で「保護バラ」として苗を引き取ることにした。
　せっかくなら「豊橋をバラの町にしよう」と、近隣に配ったほか、協賛する事業所や個人には苗代のみで譲渡。これまでボランティアで配ったバラは２０００本にのぼるという。「地元の皆さんに、これをきっかけにガーデニングの楽しさを知ってもらい、庭先でご近所同士の会話に弾みがつけば。東三河は温暖で風通りもよく、栽培に適した土地柄。いつかこの地域がバラが咲き誇る美しく心安らぐ街になってほしい」と意気込む。
【田中博子】