新城市が85歳以上のワクチン接種予約開始

　新城市は19日、85歳以上を対象にした新型コロナウイルスワクチン接種の予約を始めた。電話かインターネットで受け付けた。市役所など４カ所では、インターネットに不慣れなお年寄りのために予約を手伝ったが、目立った混乱はなかった。市は75～84歳の予約についても付き添い型の支援をする方針だ。
　85歳以上の市民への接種は今月29日から始まる。集団接種が２会場で、医療機関18カ所で。約３２００人への接種券は発送済み。
　市の高齢化率は36・３％で東三河５市の中でも最も高い。電話の予約は混み合うため、ネット予約を勧めるが、不慣れな人向けに職員がサポートする体制を敷いた。市役所東庁舎、鳳来支所、作手支所、保健センターの４カ所。
　東庁舎では午前９時の開始時に９人が並んだ。お年寄りたちは、パソコン端末を操作する職員に住所、氏名、希望日などの必要事項を答え、入力してもらった。
　井上守さん（87）と幸子さん（86）夫妻は「電話が混み合うと聞いてネット予約をしようとしたが、わからない部分が多かった。普段の会話が聞こえづらくなっており、間近でやりとりできて安心した」と話した。
　市内では新型コロナウイルス陽性者が増えつつある。孫を含め８人暮らしの女性（87）は「早く接種して家族の安全を守りたい気持ちはある。スマートフォンは持っていても操作できないため、確実に予約したかった」と語った。
　また鳳来支所には午前中に８人が訪れ、予約を済ませた。最大４ブースで対応できる準備をしていたが、天気が悪かったため、来場する人は少なかった。
　かかりつけ医など民間医療機関は、ネット予約ができるところとそうでないところがある。この日も複数のお年寄りが支所に来たものの、予約できないと伝えられて帰っていった。「接種券に書いてあったのですが、高齢者には難しかったかもしれない」と職員は話した。
　電話予約のためコールセンターは二つの電話番号（０５３６・22・９９０３、０５３６・22・９９０４）を設け、計８回線で対応している。午前９時から午後５時まで３５７件の予約があったという。
　予約のサポートは21日までと、24～28日も４カ所で午前９時～午後５時。
　市は今月下旬に、75歳～84歳の約４８００人に接種券を発送する。届き次第、予約を受け付ける。ネット予約のサポートも予定する。
　一方、穂積亮次市長（68）はこの日の記者懇談会で「自分は一般市民と同じように予約して接種していく」と述べた。「市町村長と住民の間にすきま風が吹かないように対処していくのが望ましい」と話した。
【安藤聡、山田一晶】