豊橋の吉田城跡 石垣の一部が崩落

　豊橋市今橋町の豊橋公園にある吉田城跡で22日早朝、本丸広場付近の石垣の一部が崩落した。市は通報を受け、現場付近を通行止めにした。応急対策をとるという。
　崩落した石垣は本丸広場入り口にある。高さ４・４㍍、幅３・４㍍で、崩落した面は最上部から足元近くまでえぐられたように崩れた。
　一夜明けた23日午前10時頃、現場周辺に約10人が訪れてスマートフォンで様子を撮影していた。石垣のすぐ下に設置されていた木製の案内板は、ひさし部分を残すのみになって壊れていた。
　70歳の男性は「歴史的に貴重な資料で、市民を含めて今後の城跡の在り方を話し合っていくべきだ」と話した。
　発生直後に駆け付けた市公園緑地課の職員によると、崩落箇所は少しずつ土が落ちていたといい「危険なので絶対に近付かないでほしい」と呼び掛ける。
　今後は落ちた石を取り除き、周囲を大型土のうで固めるなどの応急措置をするという。原因は不明だが、最近の雨で石垣内部の土が緩んだものとみている。
　この石垣には上段へ登れる石段もあり、市は以前からロープを張って立ち入りを禁じていた。
　吉田城跡では２０１９年６月と昨年６月にも今回の崩落場所の東側の石垣が崩れ、市が解体修復工事を始めたばかりだった。
【加藤広宣、安藤聡】