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豊川で予算不足に伴い5カ所の桜ライトアップ一斉中止に

人通りもなく、暗く浮かび上がった佐奈川の桜並木=豊川市中央通の金屋橋で(11日午後8時20分ごろ写す)
人通りもなく、暗く浮かび上がった佐奈川の桜並木=豊川市中央通の金屋橋で(11日午後8時20分ごろ写す)

 豊川市中心街を流れる佐奈川など市内5カ所で、春の夜を彩る桜のライトアップが、今年は取りやめられた。白熱電球が老朽化し、それに替わるLED照明などの設備投入が、予算不足のため見送られた。市役所北の「桜トンネル」では、中央部分の約0・4㌔にわたって新たにLED照明を行い、13日までソメイヨシノを浮き上がらせる。しかし、この1カ所だけで、来春、佐奈川夜桜の復活がなければ、市は“観光行政の貧弱ぶり”をあらわにする形になるといえそうだ。
 夜間照明がなくなったのは、佐奈川中流部の両岸堤約4㌔(佐土町「であい橋」~堺町「堺橋」)。この区間では一部フットライト(足下照明)も併せて歩道整備され、昨年まで大勢の家族連れやカップルらが、午後9時すぎまで夜桜見物をかねた散策を楽しんでいた。このほか市内では、同じく名所とされる「御津山園地」(御津町)▽「穴観音古墳公園」(同)▽「稲荷公園」(緑町)▽音羽川・御油(国府町・御油府町)-でも、ライトアップを一斉中止した。
 「だましだまし使ってきた感じです」と、昨年までこれらのライトアップを振り返るのは、担当の市商工観光課職員。委託された市観光協会では、老朽化した白熱電球を、木やポールにほぼ等間隔にくくりつけ照らしていた。だが、球切れするものが目立ち、メーカー側の生産中止もあって「新規購入が難しくなってきた」という。
 このため寿命の長いLED照明へ切り替える必要が生じたが、試算によると設備費だけで約3000万円が必要。これに市側は難色を示し、とりあえず160万円をふり向け、桜トンネルのみのLEDライトアップでお茶をにごす形をとった。
 市観光協会によると、夜桜見物できない穴を補うため、今年は佐奈川(イオン豊川店前)、御津山園地、穴観音古墳公園の3カ所で「とよかわ桜物産展」を繰り広げ、昼の花見に力を入れた-としている。しかライトアップ復活について、来年度以降、必要予算獲得の見通しは立っていない。市民の反発の声も聞かれる。
 佐奈川近くに約40年前転居し、夜桜照明を毎年楽しみにしていたという河崎正男さん(66)=下野川町=もその1人。元中部町連区長だった河崎さんによると、佐奈川桜照明はもともと中部町の有志が30年ほど前に始めた。思い入れは強く「非常に残念。東京に在住で、帰省した娘がとても寂しがっている。市に要望したが、何とか復活してほしい」と、市民の声を代弁する。
(藤田彰彦)

 豊川市中心街を流れる佐奈川など市内5カ所で、春の夜を彩る桜のライトアップが、今年は取りやめられた。白熱電球が老朽化し、それに替わるLED照明などの設備投入が、予算不足のため見送られた。市役所北の「桜トンネル」では、中央部分の約0・4㌔にわたって新たにLED照明を行い、13日までソメイヨシノを浮き上がらせる。しかし、この1カ所だけで、来春、佐奈川夜桜の復活がなければ、市は“観光行政の貧弱ぶり”をあらわにする形になるといえそうだ。
 夜間照明がなくなったのは、佐奈川中流部の両岸堤約4㌔(佐土町「であい橋」~堺町「堺橋」)。この区間では一部フットライト(足下照明)も併せて歩道整備され、昨年まで大勢の家族連れやカップルらが、午後9時すぎまで夜桜見物をかねた散策を楽しんでいた。このほか市内では、同じく名所とされる「御津山園地」(御津町)▽「穴観音古墳公園」(同)▽「稲荷公園」(緑町)▽音羽川・御油(国府町・御油府町)-でも、ライトアップを一斉中止した。
 「だましだまし使ってきた感じです」と、昨年までこれらのライトアップを振り返るのは、担当の市商工観光課職員。委託された市観光協会では、老朽化した白熱電球を、木やポールにほぼ等間隔にくくりつけ照らしていた。だが、球切れするものが目立ち、メーカー側の生産中止もあって「新規購入が難しくなってきた」という。
 このため寿命の長いLED照明へ切り替える必要が生じたが、試算によると設備費だけで約3000万円が必要。これに市側は難色を示し、とりあえず160万円をふり向け、桜トンネルのみのLEDライトアップでお茶をにごす形をとった。
 市観光協会によると、夜桜見物できない穴を補うため、今年は佐奈川(イオン豊川店前)、御津山園地、穴観音古墳公園の3カ所で「とよかわ桜物産展」を繰り広げ、昼の花見に力を入れた-としている。しかライトアップ復活について、来年度以降、必要予算獲得の見通しは立っていない。市民の反発の声も聞かれる。
 佐奈川近くに約40年前転居し、夜桜照明を毎年楽しみにしていたという河崎正男さん(66)=下野川町=もその1人。元中部町連区長だった河崎さんによると、佐奈川桜照明はもともと中部町の有志が30年ほど前に始めた。思い入れは強く「非常に残念。東京に在住で、帰省した娘がとても寂しがっている。市に要望したが、何とか復活してほしい」と、市民の声を代弁する。
(藤田彰彦)

人通りもなく、暗く浮かび上がった佐奈川の桜並木=豊川市中央通の金屋橋で(11日午後8時20分ごろ写す)
人通りもなく、暗く浮かび上がった佐奈川の桜並木=豊川市中央通の金屋橋で(11日午後8時20分ごろ写す)

カテゴリー:社会・経済

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