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蔵王山ハイキング

木漏れ日が差し込む酒蔵池=いずれも蔵王山で
木漏れ日が差し込む酒蔵池=いずれも蔵王山で
連れ添って下ってくる人と挨拶を交わす
連れ添って下ってくる人と挨拶を交わす
展望広場から市街を一望
展望広場から市街を一望

 田原市の蔵王山には麓から展望台までのハイキングコースがある。山頂の風車が10月13日から解体されるのに合わせ、展望台も12月13日まで休館する。その前に地元お勧めのハイキングを体験してみようと、23日に現地を訪れた。
 蔵王山の標高は250㍍。普段は車で取材に向かう山頂の展望台は、麓の駐車場から往復約6200㍍、歩いて約75分。山登り初心者向けのやさしいコースで、近隣住民も朝の散歩を楽しんでいるという。
 駐車場に到着したのが午前11時頃。最低限の荷物とカメラだけを持って、コース入り口にある公園「権現の森」へ。ちょうど、奥の石段から山を降りてくる人の姿が見えた。よく晴れており、暑さを感じるぐらいだったが、園内は木陰が多く、子どもたちが元気に遊んでいた。
 少し前に老朽化で取り壊されたという冠木門を横目に、ハイキングコースを上る。木漏れ日が差す酒蔵池を通り過ぎ、約5分で三つ並んだ朱色の鳥居が目立つ熊野三所権現前へ。平安末期に蔵王権現を山頂に、氏神の熊野権現を山腹にまつり、この山を蔵王山と名づけたという看板がある。
 ここから山道が始まる。先日の雨で少しぬかるんでいる。足下に気を付けながら登る。道沿いの小さな川に設置されているししおどしの音が、虫の声に交じって心地よい。
 今の場所を知らせる看板に書かれている言葉がユニークだ。「三合目 見る樹木 覚えて帰れば 得をする」「四合目 よろこんで 石の車に 乗らぬよう」-。道脇に割れた栗が転がっていた。
 下山する人とあいさつを交わしながら登っていくと、約20分で休憩所の「ふくしば広場」に到着。だいぶ息が上がっていて、運動不足を思い知らされる。汗で上着が張り付くが、そのままにした。10分ほど休憩していると、数人の子どもたちが、元気よく山を下っていった。
 さらに約15分登ると、良縁、縁結びに利益があるという愛染明王がまつられている展望広場に到着。すぐ近くに蔵王権現堂がある。田原市街を一望できる景色を眺めてから、また腰を上げる。山頂まではもう少しだ。
 そこから5分とかからず展望台に到着。パノラマカフェで人気のキャベトンパンやメロンシャーベットを食べながら一服した。時計を見ればちょど正午。久々の山登りのタイムとしては悪くはないだろう。
 下山途中、フジバカマの花壇前を通る。アサギマダラがやってくるのはもう少し先だろうか、と思っていると、目の前をひらりと青黒の羽のチョウが通り過ぎた。すぐに木々の向こうへ飛んでいったので確認はできなかった。
 駐車場に戻ったのは午後0時半。いい運動になった。運転席に乗り込んで、帰路についた。
【岸侑輝】

 田原市の蔵王山には麓から展望台までのハイキングコースがある。山頂の風車が10月13日から解体されるのに合わせ、展望台も12月13日まで休館する。その前に地元お勧めのハイキングを体験してみようと、23日に現地を訪れた。
 蔵王山の標高は250㍍。普段は車で取材に向かう山頂の展望台は、麓の駐車場から往復約6200㍍、歩いて約75分。山登り初心者向けのやさしいコースで、近隣住民も朝の散歩を楽しんでいるという。
 駐車場に到着したのが午前11時頃。最低限の荷物とカメラだけを持って、コース入り口にある公園「権現の森」へ。ちょうど、奥の石段から山を降りてくる人の姿が見えた。よく晴れており、暑さを感じるぐらいだったが、園内は木陰が多く、子どもたちが元気に遊んでいた。
 少し前に老朽化で取り壊されたという冠木門を横目に、ハイキングコースを上る。木漏れ日が差す酒蔵池を通り過ぎ、約5分で三つ並んだ朱色の鳥居が目立つ熊野三所権現前へ。平安末期に蔵王権現を山頂に、氏神の熊野権現を山腹にまつり、この山を蔵王山と名づけたという看板がある。
 ここから山道が始まる。先日の雨で少しぬかるんでいる。足下に気を付けながら登る。道沿いの小さな川に設置されているししおどしの音が、虫の声に交じって心地よい。
 今の場所を知らせる看板に書かれている言葉がユニークだ。「三合目 見る樹木 覚えて帰れば 得をする」「四合目 よろこんで 石の車に 乗らぬよう」-。道脇に割れた栗が転がっていた。
 下山する人とあいさつを交わしながら登っていくと、約20分で休憩所の「ふくしば広場」に到着。だいぶ息が上がっていて、運動不足を思い知らされる。汗で上着が張り付くが、そのままにした。10分ほど休憩していると、数人の子どもたちが、元気よく山を下っていった。
 さらに約15分登ると、良縁、縁結びに利益があるという愛染明王がまつられている展望広場に到着。すぐ近くに蔵王権現堂がある。田原市街を一望できる景色を眺めてから、また腰を上げる。山頂まではもう少しだ。
 そこから5分とかからず展望台に到着。パノラマカフェで人気のキャベトンパンやメロンシャーベットを食べながら一服した。時計を見ればちょど正午。久々の山登りのタイムとしては悪くはないだろう。
 下山途中、フジバカマの花壇前を通る。アサギマダラがやってくるのはもう少し先だろうか、と思っていると、目の前をひらりと青黒の羽のチョウが通り過ぎた。すぐに木々の向こうへ飛んでいったので確認はできなかった。
 駐車場に戻ったのは午後0時半。いい運動になった。運転席に乗り込んで、帰路についた。
【岸侑輝】

木漏れ日が差し込む酒蔵池=いずれも蔵王山で
木漏れ日が差し込む酒蔵池=いずれも蔵王山で
連れ添って下ってくる人と挨拶を交わす
連れ添って下ってくる人と挨拶を交わす
展望広場から市街を一望
展望広場から市街を一望

カテゴリー:社会・経済

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