地域猫の命を守るCF支援を

　地域猫活動を続ける市民団体「命にやさしいまちづくり　ハーツ」の６回目のクラウドファンディング（ＣＦ）＝ＱＲコード＝は、３日午後11時が締め切りだ。最終目標は５００万円。昨年12月６日にスタートし、１月31日現在で４００万円を超えた。古橋幸子代表は「目標達成はかなりのラストスパートが必要」としている。
　「捨て猫、野良猫、虐待、殺処分ゼロ」を目指すハーツが、地域猫活動を始めて19年になる。飼い主のいない猫（野良猫）を捕獲し、不妊・去勢手術のうえ元の場所に戻し、餌やトイレを管理する。だが、病気やけがで外へ戻せない猫は「シェルター」と呼ばれる３カ所の保護施設で生活する。現在は計約１３０匹いる。ほかにも、メンバーが自宅で世話しているのが約２７０匹、元の場所に戻して餌を与えているのが１２０匹。ＣＦ中にも、新しい飼い主に引き取られた猫もいれば、闘病の末に死んでしまった猫もいる。
　寄せられた資金は、１００匹近い猫が暮らす第２シェルターの運営費に充てる。年間９１８万円を見込む。目標の５００万円は医療費。外での過酷な生活でけがをしていたり、病気になっていたりする猫が多い。通院、入院し、手術を受ける費用だ。
　ＣＦへの支援を呼びかけるためのメッセージも27回出した（31日午前９時現在）。販売しているＬＩＮＥスタンプに登場する猫の紹介が多いが、豊橋市への要望活動、ＣＦの経過報告などもある。支援者は延べ３７０人に上った。
　この期間中も、猫に関する相談は続く。年明け早々には、豊橋市内で譲渡元と譲渡先双方の不手際で猫２匹が脱走し、メンバーがチラシを作り、聞き込みを続けて保護する騒動があった。また、その過程で手術をせずに餌を与えられている猫の集団を見つけ、手術のうえで、簡易のすみかを作った。公的支援はないため、すべて持ち出しだ。活動の様子は日々、ブログで報告されている。
　前回のＣＦは、90日間に過去最高の５４２万３０００万円を集めた。今回は60日間と短くなっているため、最終目標達成は当初からかなりの困難が見込まれていた。だが、前回もラスト４日で１４０万円近くが寄せられた。今回も24日の３００万円突破から、７日間で１００万円が集まった。古橋代表も、ハーツから猫を引き取ってくれた人たちに個別に支援を要請している。
　残すところ２日、全国からの善意と、激励のメッセージが続々と寄せられている。
【山田一晶】