田原市が「伊良湖クリスタルポルト」購入へ

道の駅に再整備

　田原市は、伊良湖町の観光施設「伊良湖クリスタルポルト」を購入して道の駅として再整備することを決めた。観光誘客と伊良湖港の公共交通ターミナルとしての機能強化を図る。22日の市議会３月定例会で購入費など２億５４５４万円の補正予算を可決。早ければ６月市議会後に正式取得へ手続きに入る。
　道の駅としての再出発で観光誘客につなげ、フェリー航路「鳥羽伊良湖航路」の公共交通ターミナルとしての機能を高めるため、市は２月に直接購入への方針を固めた。
　施設取得などの費用は自主財源で賄い、財政調整基金を活用する。改修工事の規模などは未定のため、今後は県の財政支援も求めるという。
　市によると、早ければ６月市議会で条例改正などの関連議案を提出する見通し。９月までに取得し、調査や改修設計を経て工事に入り、来年４月のリニューアルを目指すという。
　伊良湖クリスタルポルトは１９９４年に伊良湖港湾観光センターが営業開始。その後、伊良湖シーパーク＆スパを運営するホテルチェーンの子会社「伊良湖リゾート」（東京都中央区）が所有している。新型コロナウイルス禍で施設閉鎖後は昨年３月に道の駅の指定を外れ、７月からテナント運営会社「シーポートマーケット」を立ち上げて営業を再開していた。
　この間、建物内で営業していた伊勢湾フェリーのチケット販売所は閉鎖に伴い移転。ターミナル敷地内に事務所を仮設して、営業を続けていた。伊勢湾フェリーの中岡賢市総務部長は「まずは一安心。公共交通ターミナルの機能強化へ市と連携したい」と話した。
【岸侑輝】