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「削り節」で名店の味を支える 豊橋の丸文岩瀬商店

年代物の機械で日々作られる削り節=丸文岩瀬商店で
年代物の機械で日々作られる削り節=丸文岩瀬商店で
名店の味を陰で支える製造現場
名店の味を陰で支える製造現場
取引先の老舗食堂が商品化した「めんつゆ」
取引先の老舗食堂が商品化した「めんつゆ」

 健康志向から世界中の注目を集める和食。中でも出汁(だし)は料理店の味も左右する不可欠な食材だ。削り節の製造販売「丸文岩瀬商店」(豊橋市魚町、岩瀬智社長)は、東三河でも数少ない老舗の一つだ。飲食店の信頼は厚く、料理人の細かい要望に応えながら名店の味と東三河の食文化を陰で支える。

 「かつぶし屋のまるぶん」で知られる老舗の創業は1910年。豊橋市は「にかけうどん」の文化が根強い。そばやうどんの専門店のほか、とんかつ店ではかつ丼とセットで出す定番メニューでも有名だ。
 同社も主な取引先の一つは、そばやうどんの専門店。岩瀬社長は「めんつゆなどの出汁のほか、仕上げで丼に投入する花かつおなどを大量に使う」と説明する。
 また、料理店の信頼は厚い。札木町の「菜飯田楽きく宗」など老舗や名店と呼ばれる取引先も増えている。繊細な店の味を保つため、複数の削り節を混ぜたり、配合比率を微調整したりと望む味を支えている。
 本社2階の工場では1日120㌔のかつお節を加工する。削りやすい状態まで蒸し、50年近く使い込んだ年代物の専用機を使う。食用や繊細な出汁をとるための「花かつお」から、めんつゆ出汁などに用いる厚めに削った「本節」など5段階に整える。
 工場長の福井謙太郎さん(64)は「削りから袋詰めまで一貫し、小回りが利くため細かな要望にも応えられる」と説明する。最近では老舗同業者から得意先の料理店向けの削り節を引き継いだという。
 出汁の食文化や健康面の利点などを広める食育にも積極的だ。営業部長の岩瀬智未さんは、市こども未来館「ここにこ」などで食育講座の講師も務める。智未さんは「顆粒出汁は手早さが魅力だが、削り節は塩分控えめなスローフード。週1回でも採り入れてみてほしい」という。
【加藤広宣】

 健康志向から世界中の注目を集める和食。中でも出汁(だし)は料理店の味も左右する不可欠な食材だ。削り節の製造販売「丸文岩瀬商店」(豊橋市魚町、岩瀬智社長)は、東三河でも数少ない老舗の一つだ。飲食店の信頼は厚く、料理人の細かい要望に応えながら名店の味と東三河の食文化を陰で支える。

 「かつぶし屋のまるぶん」で知られる老舗の創業は1910年。豊橋市は「にかけうどん」の文化が根強い。そばやうどんの専門店のほか、とんかつ店ではかつ丼とセットで出す定番メニューでも有名だ。
 同社も主な取引先の一つは、そばやうどんの専門店。岩瀬社長は「めんつゆなどの出汁のほか、仕上げで丼に投入する花かつおなどを大量に使う」と説明する。
 また、料理店の信頼は厚い。札木町の「菜飯田楽きく宗」など老舗や名店と呼ばれる取引先も増えている。繊細な店の味を保つため、複数の削り節を混ぜたり、配合比率を微調整したりと望む味を支えている。
 本社2階の工場では1日120㌔のかつお節を加工する。削りやすい状態まで蒸し、50年近く使い込んだ年代物の専用機を使う。食用や繊細な出汁をとるための「花かつお」から、めんつゆ出汁などに用いる厚めに削った「本節」など5段階に整える。
 工場長の福井謙太郎さん(64)は「削りから袋詰めまで一貫し、小回りが利くため細かな要望にも応えられる」と説明する。最近では老舗同業者から得意先の料理店向けの削り節を引き継いだという。
 出汁の食文化や健康面の利点などを広める食育にも積極的だ。営業部長の岩瀬智未さんは、市こども未来館「ここにこ」などで食育講座の講師も務める。智未さんは「顆粒出汁は手早さが魅力だが、削り節は塩分控えめなスローフード。週1回でも採り入れてみてほしい」という。
【加藤広宣】

年代物の機械で日々作られる削り節=丸文岩瀬商店で
年代物の機械で日々作られる削り節=丸文岩瀬商店で
名店の味を陰で支える製造現場
名店の味を陰で支える製造現場
取引先の老舗食堂が商品化した「めんつゆ」
取引先の老舗食堂が商品化した「めんつゆ」

カテゴリー:社会・経済

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