田原の潮音寺で杜国祭

　田原市福江町の「潮音寺」で25日、俳人松尾芭蕉の愛弟子、杜国をまつる「第66回杜国祭」があった。俳人杜国顕彰会主催、東愛知新聞社など後援。
　通称は坪井庄兵衛。１６８５（貞享２）年に米の空取引をした罪により渥美郡畠村（現福江町）に追放された。同寺に墓所や、没後54年の１７４４年に建立された墓碑がある。
　新型コロナウイルス感染拡大対策として法要を顕彰会メンバーの11人で営んだ。俳句大会入賞者のうち市内の人に限った表彰があった。田原市長賞には市内の井本洋子さんの「屋敷跡杜国の知らぬ草刈機」が選ばれた。
　顕彰会の川崎政夫会長はコロナ禍で３年ぶりに表彰ができたことを喜び、「とても大きなともしびを感じることができた」と関係者に謝辞を述べた。
　今年の俳句大会には市内外から３３８句が寄せられた。市内の小中学生も計約１３００句を読んだ。【岸侑輝】
　　　　◇
　その他の主な入賞者は次の皆さん。（敬称略）
　田原市議会議長賞＝「菜の花は日向の匂ひ子の匂ひ」花井志げ子（田原市）▽市教育長賞＝「杜国忌の寺苑に集ふ藤の昼」三輪洋路（岐阜県土岐市）▽市文化協会長賞＝「単線に乗換へてより青田風」大竹宏一（豊橋市）▽愛知みなみ農協組合長賞＝「春キャベツ持っていきんと知らぬ人」横山元子（田原市）▽杜国顕彰会長賞＝「沙羅の花崋山幽居の土間暗し」田中明子（同）▽東愛知新聞社賞＝「春の光汲みては零す砂遊び」鬼頭幸子（蒲郡市）