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愛大の豊橋校舎でシンポ、小泉八雲の曾孫が講演

基調講演する小泉さん=愛知大学豊橋キャンパスで
基調講演する小泉さん=愛知大学豊橋キャンパスで
パネルディスカッション「郷土の記憶を舞台化する」
パネルディスカッション「郷土の記憶を舞台化する」

 愛知大学綜合郷土研究所主催の公開シンポジウム「郷土の記憶を舞台化する」が22日、豊橋キャンパスで開かれた。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の曾孫で民俗学者の小泉凡さんによる基調講演などがあった。
 冒頭、八雲が「怪談」で取り上げた「耳なし芳一」を、薩摩琵琶奏者の村田青水さんが演奏した。続いて小泉さんが「小泉八雲作品の舞台化、資源化をめぐる試み」と題して講演した。
 舞台化、資源化とは観光なども含めた文化の創造を指す。中でも「文化資源」は、文化財などに、未評価の文化や文化財的価値のないものを加えた概念で、ハードとソフト、歴史上の人物や地域に生きる人々「ヒューマン」で構成する。これまでは積極的に活用されることなく、消費され、死蔵されていった。
 小泉さんは、八雲の多才ぶりを紹介し「ギリシャ生まれでアイルランド、英国、フランス、米国、日本で暮らした人。さらに左目の失明や赤貧生活など、悲惨な人生を送ったことがその特徴である『オープン・マインド』な物の見方を育てた」と分析した。
 そして「怪談」を生かした松江市の「松江ゴーストツアー」が2008年に始まり、新型コロナウイルス前までに全国から5000人以上が参加したことを紹介。「遊び心があり、闇を歩き、耳で楽しみ、怪談の真理を考える企画が評価された」と語った。
 ゴーストツアーは国内でも広がった。また怪談を翻訳する国が広がっていることを明らかにし「八雲の精神には普遍性がある。現代社会とハーンの精神性が響き合っている」とまとめた。
 続いて舞踏家で大駱駝艦の田村一行さんが、各地の文化を取材しながら制作した舞踏について青森県八戸市の「えんぶり」などを例に挙げて紹介した。
 最後に、愛大文学部の吉野さつき教授、「穂の国とよはし芸術劇場プラット」の大橋玲さんを加え、「豊橋妖怪百物語」の著者、内浦有美さんをコーディネーターにパネルディスカッションを開いた。【山田一晶】

 愛知大学綜合郷土研究所主催の公開シンポジウム「郷土の記憶を舞台化する」が22日、豊橋キャンパスで開かれた。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の曾孫で民俗学者の小泉凡さんによる基調講演などがあった。
 冒頭、八雲が「怪談」で取り上げた「耳なし芳一」を、薩摩琵琶奏者の村田青水さんが演奏した。続いて小泉さんが「小泉八雲作品の舞台化、資源化をめぐる試み」と題して講演した。
 舞台化、資源化とは観光なども含めた文化の創造を指す。中でも「文化資源」は、文化財などに、未評価の文化や文化財的価値のないものを加えた概念で、ハードとソフト、歴史上の人物や地域に生きる人々「ヒューマン」で構成する。これまでは積極的に活用されることなく、消費され、死蔵されていった。
 小泉さんは、八雲の多才ぶりを紹介し「ギリシャ生まれでアイルランド、英国、フランス、米国、日本で暮らした人。さらに左目の失明や赤貧生活など、悲惨な人生を送ったことがその特徴である『オープン・マインド』な物の見方を育てた」と分析した。
 そして「怪談」を生かした松江市の「松江ゴーストツアー」が2008年に始まり、新型コロナウイルス前までに全国から5000人以上が参加したことを紹介。「遊び心があり、闇を歩き、耳で楽しみ、怪談の真理を考える企画が評価された」と語った。
 ゴーストツアーは国内でも広がった。また怪談を翻訳する国が広がっていることを明らかにし「八雲の精神には普遍性がある。現代社会とハーンの精神性が響き合っている」とまとめた。
 続いて舞踏家で大駱駝艦の田村一行さんが、各地の文化を取材しながら制作した舞踏について青森県八戸市の「えんぶり」などを例に挙げて紹介した。
 最後に、愛大文学部の吉野さつき教授、「穂の国とよはし芸術劇場プラット」の大橋玲さんを加え、「豊橋妖怪百物語」の著者、内浦有美さんをコーディネーターにパネルディスカッションを開いた。【山田一晶】

基調講演する小泉さん=愛知大学豊橋キャンパスで
基調講演する小泉さん=愛知大学豊橋キャンパスで
パネルディスカッション「郷土の記憶を舞台化する」
パネルディスカッション「郷土の記憶を舞台化する」

カテゴリー:社会・経済

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