「定額制キッチンカー」東三河の異業種2社が手掛ける

　新型コロナウイルス禍で、すっかり見慣れたキッチンカー。ただ、各種補助金はあるものの、車を新たに所有して新規の営業を始めるとなると、初めての人には抵抗がある。そこで、東三河の異業種２社が手を組みキッチンカーの「カーシェア」の仕組みを作った。名付けて「ｓｕｂｓｃ－ｋｃａｒ（サブスク・キッチンカー）」。新しいビジネスとして注目される。
　２社は、店舗などのデザインを手掛ける「フォルテプランニング」（豊橋市瓜郷町）と、自動車部品など製造加工「山本製作所」（豊川市宿町）。田中倫子社長は、異業種とのコラボに積極的で新城市の「とみかわや」の買収などで知られる。
　両社の出会いは、金融機関が昨年末、フォルテプランニングの安達貴一社長を田中社長に引き合わせたことだった。「今、一番イケイケの会社」という触れ込みだったという。
　フォ社は大手ドラッグストア、外食チェーンなどと取引があり、建築デザインやオーダー家具製品を手掛ける。図面を描ける社員が直接、取引先を訪ね、打ち合わせの席でイメージを取りまとめてくるのが強みだ。
　安達社長は、コロナ禍で小さな飲食店などが閉じていくのを見てきた。だが、業態を転換しようにも、キッチンカーを買う資金の無いところも少なくない。そこで、低リスクで始められるサブスクリプション（定額制）のキッチンカーを考えた。さらに、軽自動車に絞り、コストを抑えて借りやすいようにした。ＡＴ限定の運転免許の人が増えたため、ＡＴ車を使う。
　改造はフォ社が担当する。安達社長は「自分たちは『店舗屋」。培ったノウハウで、使いやすいキッチンカーをつくる自信がある」と話す。田中社長はすでにキッチンカーを持っており、とみかわやの菓子販売などの実績がある。サブスクの利用者にはそのノウハウも提供する。
　基本プランは、１日限定と２日連続、１カ月の３パターン。料金には車両保険、名義変更事務手数料含む。
　田中社長は「自分にとって今までにない挑戦で不安もある。でも借りたい人は必ずいる。足踏みする人の背中を押したい」と話した。
　現在、フォルテプランニング社でキッチンカーを展示している。問い合わせや予約は「ｓｕｂｓｃ－ｋｃａｒ事業部」（０９０・１２９４・０７０９）の専用フォーム＝ＱＲコード＝へ。
【山田一晶】