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豊橋市文化財センターが葦毛湿原シンポ

葦毛湿原の将来を語った座談会=市公会堂で
葦毛湿原の将来を語った座談会=市公会堂で
保全活動の成果を報告する贄学芸員
保全活動の成果を報告する贄学芸員

 豊橋市文化財センターは9日、市公会堂で「第6回葦毛(いもう)湿原再生フォーラム」を開いた。湿原保全の歴史や現状などの報告や研究発表のほか、有識者らをまじえて葦毛湿原の将来を語る座談会も催した。
 文化財センターの贄元洋学芸員は、湿原での大規模植生回復作業について報告した。湿地の日照確保から森林化した湿地の復元を経て、現在は中心部の植生回復など第3段階にある。湿原保護ボランティアと共同で、発芽可能な種子が集まる「土壌シードバンク」を生かした植生回復を試みている。
 地表面近くに多い種子群を壊さず、効率よく採取するための作業方法として、考古発掘での重機の使い方や茶栽培で用いる農法を生かした。
 こうして地上絶滅した植物21種のうちハルリンドウやミカワバイケイソウなど21種が復活。わずか8輪だったカザグルマは開花数が464輪まで戻ったという。
 贄学芸員は「埋土種子の利用は最小限に抑えるべき」とし、第4段階の恒常的な維持管理は中世以降の「里山」としての歴史を踏まえた人の関与も必要とした。
 ほか、愛知学院大学の富田啓介准教授(自然地理学)が湧水湿地の保全計画と手法、文化庁の田中厚志文化財調査官は天然記念物としての葦毛湿原の価値を紹介した。
 シンポジウムは新型コロナウイルス禍に伴う昨年11月と今年2月の中止を経て開かれた。
【加藤広宣】

 豊橋市文化財センターは9日、市公会堂で「第6回葦毛(いもう)湿原再生フォーラム」を開いた。湿原保全の歴史や現状などの報告や研究発表のほか、有識者らをまじえて葦毛湿原の将来を語る座談会も催した。
 文化財センターの贄元洋学芸員は、湿原での大規模植生回復作業について報告した。湿地の日照確保から森林化した湿地の復元を経て、現在は中心部の植生回復など第3段階にある。湿原保護ボランティアと共同で、発芽可能な種子が集まる「土壌シードバンク」を生かした植生回復を試みている。
 地表面近くに多い種子群を壊さず、効率よく採取するための作業方法として、考古発掘での重機の使い方や茶栽培で用いる農法を生かした。
 こうして地上絶滅した植物21種のうちハルリンドウやミカワバイケイソウなど21種が復活。わずか8輪だったカザグルマは開花数が464輪まで戻ったという。
 贄学芸員は「埋土種子の利用は最小限に抑えるべき」とし、第4段階の恒常的な維持管理は中世以降の「里山」としての歴史を踏まえた人の関与も必要とした。
 ほか、愛知学院大学の富田啓介准教授(自然地理学)が湧水湿地の保全計画と手法、文化庁の田中厚志文化財調査官は天然記念物としての葦毛湿原の価値を紹介した。
 シンポジウムは新型コロナウイルス禍に伴う昨年11月と今年2月の中止を経て開かれた。
【加藤広宣】

葦毛湿原の将来を語った座談会=市公会堂で
葦毛湿原の将来を語った座談会=市公会堂で
保全活動の成果を報告する贄学芸員
保全活動の成果を報告する贄学芸員

カテゴリー:社会・経済

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