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燃油高で9月から伊勢湾フェリー運賃値上げ

長引く燃油高で値上げを決めた伊勢湾フェリー
長引く燃油高で値上げを決めた伊勢湾フェリー

 原油高騰が続く中、伊勢湾フェリーは三重県鳥羽市と田原市伊良湖町を結ぶフェリー航路で9月から、運賃の値上げに踏み切る。原油高に急激な円安も重なり、燃料のA重油調達費は平時の5割増しにかさんだ。燃油サーチャージの導入も検討したが、利用客の影響を考え見送った。
 今回の運賃改定では乗船形式を問わず片道運賃を10%値上げする。往復利用者には復路運賃割引の幅を20%から10%に引き下げる。併せて、トラックやバスなどを除く車両運賃を従来のメートル単位から「軽自動車」「乗用車」に変更。特殊手荷物扱いのオートバイは125CC以下、400CC未満、それ以上の3種類に分けた。
 総務部によると、コストの4割を占める燃料費はA重油の調達価格が1㍑90円まで高騰。フェリー3隻で年間6000便を運航し、1便あたり約450㍑を消費すると大きな負担となる。
 中岡賢市総務部長は「1㍑1円上がれば年間の燃油コストは270万円増える」と説明する。現在の価格が続けば年約8000万円の赤字となる計算だ。
 石油元売り会社に対する国の「燃料油価格激変緩和措置」で燃料価格は一定水準に抑えられてはいる。9月末で期限切れを迎えるが、延長も検討しているという。
 同社ではコスト削減に取り組む一方、伊良湖発便の利用客向けに販売する「鳥羽水族館」「志摩スペイン村」の各マイカープランは価格を据え置いた。新型コロナウイルス禍の需要増から、マイカー利用者への満足度を高めたい考えだ。
 中岡部長は「国の支援で異常な値上がりは抑えられているが情勢は不透明。燃油サーチャージは利用者負担が大きすぎるので現実的ではない。燃油コスト高が続けば体力を奪われる」と値上げへの理解を求める。
【加藤広宣】

 原油高騰が続く中、伊勢湾フェリーは三重県鳥羽市と田原市伊良湖町を結ぶフェリー航路で9月から、運賃の値上げに踏み切る。原油高に急激な円安も重なり、燃料のA重油調達費は平時の5割増しにかさんだ。燃油サーチャージの導入も検討したが、利用客の影響を考え見送った。
 今回の運賃改定では乗船形式を問わず片道運賃を10%値上げする。往復利用者には復路運賃割引の幅を20%から10%に引き下げる。併せて、トラックやバスなどを除く車両運賃を従来のメートル単位から「軽自動車」「乗用車」に変更。特殊手荷物扱いのオートバイは125CC以下、400CC未満、それ以上の3種類に分けた。
 総務部によると、コストの4割を占める燃料費はA重油の調達価格が1㍑90円まで高騰。フェリー3隻で年間6000便を運航し、1便あたり約450㍑を消費すると大きな負担となる。
 中岡賢市総務部長は「1㍑1円上がれば年間の燃油コストは270万円増える」と説明する。現在の価格が続けば年約8000万円の赤字となる計算だ。
 石油元売り会社に対する国の「燃料油価格激変緩和措置」で燃料価格は一定水準に抑えられてはいる。9月末で期限切れを迎えるが、延長も検討しているという。
 同社ではコスト削減に取り組む一方、伊良湖発便の利用客向けに販売する「鳥羽水族館」「志摩スペイン村」の各マイカープランは価格を据え置いた。新型コロナウイルス禍の需要増から、マイカー利用者への満足度を高めたい考えだ。
 中岡部長は「国の支援で異常な値上がりは抑えられているが情勢は不透明。燃油サーチャージは利用者負担が大きすぎるので現実的ではない。燃油コスト高が続けば体力を奪われる」と値上げへの理解を求める。
【加藤広宣】

長引く燃油高で値上げを決めた伊勢湾フェリー
長引く燃油高で値上げを決めた伊勢湾フェリー

カテゴリー:社会・経済

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