「全国手芸グランプリ」表彰式 豊川の順明会

　「第12回全国手芸グランプリ」（日本手芸学会主催、東愛知新聞社など後援）の表彰式が７日、学会本部がある豊川市萩町の社会福祉法人「順明会」で開かれた。上位入賞者に賞状と記念品を贈った。
　順明会の大塚昌明理事長や施設のスタッフらが東日本大震災の被災者支援に出向いた際、避難所で時間を持て余す人が目立つことに気付いた。刺しゅうのうち最も簡単な「クロスステッチ」に取り組んでもらおうと作品募集を決め、震災の翌年から始まった。
　今回は東北に住む被災者から17点、それ以外の地域の65歳以上の人から89点の計１０６点の応募があった。
　グランプリ大賞に選ばれた静岡県富士市の磯部伸行さんの作品「手筒花火」は、勇壮な姿で手筒を上げる男性と、降り注ぐ火の粉を見事に表現した。東愛知新聞社賞の仙台市の高橋哲子さんの作品「ドライフラワーと貝」は淡い色彩が魅力的だ。
　対面での表彰式は４年ぶり。感染対策をして開いた。大塚理事長は「東日本大震災の発生から12年が過ぎましたが、支援に駆け付けたことを今でもはっきりと覚えています。今日は東北からも受賞者の方に出席していただき感謝しています」とあいさつ。大塚理事長の友人の新城市の下江洋行市長は「どの作品も丁寧に仕上がっていて、素晴らしい」と祝辞を述べた。
【竹下貴信】
　グランプリ大賞、東愛知新聞社賞を除く主な入賞者は次の皆さん。（敬称略）
　紡希賞＝村上智子（岩手県大船渡市）▽豊川市長賞＝大友久子（宮城県名取市）▽新城市長賞＝宮本まるみ（岡崎市）▽愛知学泉大学学長賞＝神子田節子（仙台市）▽愛知学泉短期大学学長賞＝我妻としゑ（同）