ウクライナの伝統装飾を展示 豊橋・駒屋でナタリアさん

　ウクライナ出身で豊橋市在住の主婦ナタリア・シュラムコさんのアート展が３日まで、同市二川町の商家「駒屋」で開かれている。ウクライナ伝統の装飾芸術「ペトリキウカ塗り」で作った絵や雑貨などが並ぶ。
　豊橋ウクライナ協会を立ち上げて日本と母国文化などの交流を橋渡しする一方、自身も創作やアート教室を開く。歴史の香りがする駒屋での個展を希望し、知人を通じ初めて開いた。
　ペトリキウカは家の壁や家財道具などに動植物などの装飾を描く。花は特産の玉ねぎの断面に絵の具などを塗って画材に押し当てる。独特な猫の毛筆で、線の太さや長さを変えながら幻想的な模様に仕上げる。
　会場には、お守りやトレーなどの木製雑貨に模様を描いた母国風の作品とともに、日本にアレンジした掛け軸などの作品を対比した。大黒柱の１・８㍍の掛け軸には、母国の家の庭から伸びた大きな花を描き、世界平和への祈りを込めた。
　ナタリアさんは「古民家の雰囲気と母国の伝統芸術がうまく合った。作品を通じた平和への祈りは生涯のミッション」と語った。
【加藤広宣】