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豊橋聾学校に南LCが手作り網戸設置

手作り網戸に喜ぶ古川生徒会長㊧と桒名校長㊨。中央は石井会長=豊橋聾学校で
手作り網戸に喜ぶ古川生徒会長㊧と桒名校長㊨。中央は石井会長=豊橋聾学校で
それぞれの窓のサイズに合わせて取り付けた手作り網戸
それぞれの窓のサイズに合わせて取り付けた手作り網戸

 豊橋南ライオンズクラブ(石井伸治会長)は、県立豊橋聾学校(桒名廉校長)の校舎に手作りの網戸を設置した。窓を開けても虫が入ってこないため、児童生徒が安心して給食を食べたり授業を受けたりできるようになった。「ライオンズの皆さんに相談して良かった」と学校をあげて喜んでいる。
 新型コロナウイルス感染予防のため、学校ではエアコンを使いながらも換気が義務付けられている。校舎の2~3階には網戸が付いておらず、窓を開けていればどうしても虫が入ってきてしまう。特にマスクを外す給食時は必ず換気しなくてはならず、6月には窓から入った虫が給食に飛び込む事態が起きてしまった。その場合、異物混入として県に届け出ねばならず、虫の種類次第で給食の処分方法も変わり、場合によっては翌日からのメニューにも影響が出るという。
 網戸設置の予算を県に要望しても新学期には間に合わない。県の建物なので校舎にくぎやビスを打つことも禁じられている。釘など使わない網戸を窓の外に取り付けると、雨風で落下の恐れもあることから、学校ではずっと頭を悩ませていた。
 そんな時、声をかけてきたのが、7月で新年度を迎えた豊橋南ライオンズクラブの石井会長ら。クラブは消毒液やマスクを寄付するなど、かねてから同校を支援している。新型コロナの影響で、クラブが応援してきた学校の運動会や文化祭などが中止や縮小になった。そこで新役員らが就任時に学校を訪れ、「何か手伝えることはありますか」と声をかけたのだ。桒名校長が窮状を訴えたため、クラブで「何とかしよう」と立ち上がった。
 子どもたちが安心して学校生活が送れるように―。社会福祉委員会の山本康晴委員長が何度も学校に足を運んで打ち合わせ、学校から要望のあった43カ所の窓のサイズを計測した。場所によってすべて大きさや形が異なる窓枠をチェックした後は、さまざまな職種の会員が得意分野を生かして活躍。作業場を提供したり、資材を集めたり、木枠を作り、網を張りと、協力し合って短時間で網戸を完成させた。新学期に間に合わせるため、今月11日に会員有志が学校を訪問。猛暑の中、皆が汗だくになり、網戸を粘着力の強い両面テープなどで内側から固定したという。
 生徒会長の古川義丸さん(高等部3年)は新学期初日の登校時、窓枠に網戸がついていて驚いたという。「暑い中ありがとうございました。安心して給食を食べることができます」とライオンズクラブに感謝した。同校では場所によっては蜂も入ってくる教室があり、「二重に安心」と安どする声もあった。
 石井会長、山本委員長らは「いろいろなメンバーが技術を生かすことができた。目的とプロセス、結果が伴う活動になれば、充実した労働支援となる。行政には難しかった支援ができ、活動の幅を広げる良い機会をいただいた。今後も連絡を取りながら、子どもたちの安全を考えていきたい」などと話していた。
【田中博子】

 豊橋南ライオンズクラブ(石井伸治会長)は、県立豊橋聾学校(桒名廉校長)の校舎に手作りの網戸を設置した。窓を開けても虫が入ってこないため、児童生徒が安心して給食を食べたり授業を受けたりできるようになった。「ライオンズの皆さんに相談して良かった」と学校をあげて喜んでいる。
 新型コロナウイルス感染予防のため、学校ではエアコンを使いながらも換気が義務付けられている。校舎の2~3階には網戸が付いておらず、窓を開けていればどうしても虫が入ってきてしまう。特にマスクを外す給食時は必ず換気しなくてはならず、6月には窓から入った虫が給食に飛び込む事態が起きてしまった。その場合、異物混入として県に届け出ねばならず、虫の種類次第で給食の処分方法も変わり、場合によっては翌日からのメニューにも影響が出るという。
 網戸設置の予算を県に要望しても新学期には間に合わない。県の建物なので校舎にくぎやビスを打つことも禁じられている。釘など使わない網戸を窓の外に取り付けると、雨風で落下の恐れもあることから、学校ではずっと頭を悩ませていた。
 そんな時、声をかけてきたのが、7月で新年度を迎えた豊橋南ライオンズクラブの石井会長ら。クラブは消毒液やマスクを寄付するなど、かねてから同校を支援している。新型コロナの影響で、クラブが応援してきた学校の運動会や文化祭などが中止や縮小になった。そこで新役員らが就任時に学校を訪れ、「何か手伝えることはありますか」と声をかけたのだ。桒名校長が窮状を訴えたため、クラブで「何とかしよう」と立ち上がった。
 子どもたちが安心して学校生活が送れるように―。社会福祉委員会の山本康晴委員長が何度も学校に足を運んで打ち合わせ、学校から要望のあった43カ所の窓のサイズを計測した。場所によってすべて大きさや形が異なる窓枠をチェックした後は、さまざまな職種の会員が得意分野を生かして活躍。作業場を提供したり、資材を集めたり、木枠を作り、網を張りと、協力し合って短時間で網戸を完成させた。新学期に間に合わせるため、今月11日に会員有志が学校を訪問。猛暑の中、皆が汗だくになり、網戸を粘着力の強い両面テープなどで内側から固定したという。
 生徒会長の古川義丸さん(高等部3年)は新学期初日の登校時、窓枠に網戸がついていて驚いたという。「暑い中ありがとうございました。安心して給食を食べることができます」とライオンズクラブに感謝した。同校では場所によっては蜂も入ってくる教室があり、「二重に安心」と安どする声もあった。
 石井会長、山本委員長らは「いろいろなメンバーが技術を生かすことができた。目的とプロセス、結果が伴う活動になれば、充実した労働支援となる。行政には難しかった支援ができ、活動の幅を広げる良い機会をいただいた。今後も連絡を取りながら、子どもたちの安全を考えていきたい」などと話していた。
【田中博子】

手作り網戸に喜ぶ古川生徒会長㊧と桒名校長㊨。中央は石井会長=豊橋聾学校で
手作り網戸に喜ぶ古川生徒会長㊧と桒名校長㊨。中央は石井会長=豊橋聾学校で
それぞれの窓のサイズに合わせて取り付けた手作り網戸
それぞれの窓のサイズに合わせて取り付けた手作り網戸

カテゴリー:社会・経済 / 地域・教育

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