コロナ患者含む救助活動

大規模災害発生時に備え防災訓練

　防災の日の１日、豊橋署と豊橋市消防本部は、３月に閉店した「ほの国百貨店」（駅前大通２）の２階を使い、合同訓練を実施した。大規模災害発生時に効果的な捜索、救助活動などの対応能力向上のためで、計44人が参加した。
　南海トラフを震源とするマグニチュード９・０の地震が発生し、市内を含めた県内各地で最大震度７を観測したという想定。新型コロナウイルスの感染拡大という状況も採り入れた。半壊した高層マンションに、住民２人が取り残され、救助する訓練となった。
　避難した住民から状況と取り残されている人数を聞き出した。署員と隊員は、内容をフリップボードに書いた。そして、建物内にいる要救助者の中に、コロナ患者がいることを確認した。
　消防隊員はハシゴを伸ばし、ベランダで身動きが取れない要救助者を救出した。警察官はドアをエンジンカッターで切断、手が入るぐらいの隙間を作ってから「誰かいますか」と声掛けした。要救助者が見つかると、年齢や性別、コロナに感染しているかなどの情報を聞き出した後、防護服を着た署員がドアを開けた。そして、取り残された人の上に積み上がったがれきを撤去してから担架に乗せて外へ運び出した。
　豊橋署の梶浦哲哉署長は「警察と消防の連携を強化して今後起こりうる災害から的確に対処していきたい」と話した。
【林大二朗】