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人気ゼリー飲料 30年余の歴史に幕

32年間愛された商品を手にする鈴木社長=東豊製菓で
32年間愛された商品を手にする鈴木社長=東豊製菓で
9月で生産終了した製造ライン
9月で生産終了した製造ライン
在庫販売のみとなる「のむんチョゼリー」と「くるくるぼーゼリー」
在庫販売のみとなる「のむんチョゼリー」と「くるくるぼーゼリー」

 ゼリー飲料とスナック菓子の製造販売「東豊製菓」(豊橋市春日町)が9月いっぱいで、子どもに人気の「のむんチョゼリー」「くるくるぼーゼリー」の製造を終え、30年余の歴史に幕を下ろした。夏の季節商品として人気だったが、設備老朽化と将来の市場縮小を見込んで決断した。現在は在庫分のみの販売で、店頭には来年1月頃まで並ぶ見通し。市子ども未来館で3、4の両日に開かれる企画展で、お別れイベントが催される。
 「のむんチョゼリー」は1987年に、「くるくるぼーゼリー」は88年に製造販売を始めた。「のむんチョ」は球体からストロー状に吸引口が伸びる果物のような形。「くるくるぼー」は表面の凹凸と、らせん状にねじった容器が、光に反射するパッケージで子どもたちをひきつけた。
 それまでの飲料系駄菓子は、棒状容器に清涼飲料水を詰めた「ポリジュース」が主役。同社も74年から製造した。
 主な売場は駄菓子屋から大型スーパーやコンビニ店へと移り、売り方も1個単位から袋詰めに変化した。菓子メーカーはこぞって量産化に対応するための製造ライン自動化を進めた。
 一方、東豊製菓は複雑な形状でラインの自動化が難しい「変型容器」に着目した。パッケージの多様化に取り組んでいた容器成型メーカーの提案に乗り、誕生したのが「のむんチョ」「くるくるぼー」のゼリー飲料だった。
 両商品とも1日の生産量は約10万個。大量生産には向かないが、独自の市場でファンをつかみ、安定した人気で30年を超すロングセラーとなった。
 老朽化した設備は更新費用の回収が見込めず生産は終了する。ほかに、ゼリー飲料「まぜまぜくん」も9月で生産を終えた。生産設備の撤去後は、現在のヒット商品「ポテトフライ」の設備拡張に充てるという。
 鈴木憲一社長(73)は「効率は悪いが差別化と知恵を絞り、30年余り愛してもらった。惜しむファンも多いが、企業としての生き残りの選択」と理解を求めた。
【加藤広宣】

 ゼリー飲料とスナック菓子の製造販売「東豊製菓」(豊橋市春日町)が9月いっぱいで、子どもに人気の「のむんチョゼリー」「くるくるぼーゼリー」の製造を終え、30年余の歴史に幕を下ろした。夏の季節商品として人気だったが、設備老朽化と将来の市場縮小を見込んで決断した。現在は在庫分のみの販売で、店頭には来年1月頃まで並ぶ見通し。市子ども未来館で3、4の両日に開かれる企画展で、お別れイベントが催される。
 「のむんチョゼリー」は1987年に、「くるくるぼーゼリー」は88年に製造販売を始めた。「のむんチョ」は球体からストロー状に吸引口が伸びる果物のような形。「くるくるぼー」は表面の凹凸と、らせん状にねじった容器が、光に反射するパッケージで子どもたちをひきつけた。
 それまでの飲料系駄菓子は、棒状容器に清涼飲料水を詰めた「ポリジュース」が主役。同社も74年から製造した。
 主な売場は駄菓子屋から大型スーパーやコンビニ店へと移り、売り方も1個単位から袋詰めに変化した。菓子メーカーはこぞって量産化に対応するための製造ライン自動化を進めた。
 一方、東豊製菓は複雑な形状でラインの自動化が難しい「変型容器」に着目した。パッケージの多様化に取り組んでいた容器成型メーカーの提案に乗り、誕生したのが「のむんチョ」「くるくるぼー」のゼリー飲料だった。
 両商品とも1日の生産量は約10万個。大量生産には向かないが、独自の市場でファンをつかみ、安定した人気で30年を超すロングセラーとなった。
 老朽化した設備は更新費用の回収が見込めず生産は終了する。ほかに、ゼリー飲料「まぜまぜくん」も9月で生産を終えた。生産設備の撤去後は、現在のヒット商品「ポテトフライ」の設備拡張に充てるという。
 鈴木憲一社長(73)は「効率は悪いが差別化と知恵を絞り、30年余り愛してもらった。惜しむファンも多いが、企業としての生き残りの選択」と理解を求めた。
【加藤広宣】

32年間愛された商品を手にする鈴木社長=東豊製菓で
32年間愛された商品を手にする鈴木社長=東豊製菓で
9月で生産終了した製造ライン
9月で生産終了した製造ライン
在庫販売のみとなる「のむんチョゼリー」と「くるくるぼーゼリー」
在庫販売のみとなる「のむんチョゼリー」と「くるくるぼーゼリー」

カテゴリー:社会・経済

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